NPO法人になると税金がかかるのですか?
もし、任意団体としてすでに活動されていて、そのままNPO法人へ移行されるのであれば、ほとんど変わりはありません。違いがあるとすれば贈与税だけです。しかし、実際には「これまで全く税金を払っていなかったのに、NPO法人になったら課税されるようになった」という話は、よくあります。これは、任意団体の時には実態が課税当局から見えていなかったために見過ごされていたものがNPO法人になることによって活動の内容が顕在化するからです。税金には、いろいろな税金がありますが、一応、考えて置く必要がある代表的なものについて以下に述べます。
A. 法人税及び事業税
法人税は国税で事業税は都道府県税ですが、いずれも法人税法に規定されている収益事業を行う場合にのみ課税されます。この「収益事業」は、NPO法でいう収益事業とは定義が違いますから気をつけてください。なお、法人税も事業税も利益に対して一定の税率で課税されるものですから、赤字であれば税額はありません。
B. 法人住民税
法人住民税には都道府県民税と市町村民税があります。いずれも法人税割と均等割に分けられます。法人税割の金額は、法人税額に比例しますから法人税額がない場合は納める税額はありません。 これに対し、均等割は収益事業を行うかどうかにかかわらず、一定額(都道府県民税は2万円、市町村民税は5万円または6万円、東京都の23区は都民税だけで7万円)が課税されます。ただし、ほとんどの自治体では、法人税法上の収益事業を行わない場合は減免されることになっています。
C. 消費税
NPO法人でも、物品の販売や、対価を得て行うサービスの提供には消費税が課税されます。ただし、つねに(年間)3千万円以下の売上しかない場合は免税業者となりますから、ほとんどのNPO法人では気にする必要はありません。(注:免税対象業者は2004年4月から「1千万円以下の売上げ」に変更されますので注意が必要です。)
D. 相続税・贈与税
NPO法人が寄附を受けたり、相続財産の遺贈を受けても、原則として課税されることはありません。法人格のない任意団体であれば、同一人から1年間に110万円を越える寄附を受けた場合は、贈与税がかかります。
E. 印紙税
NPO法人が発行する領収証や受取書は、たとえ収益事業に関するものであっても、金額にかかわらず印紙を貼る必要はありません。ただし、契約書については免除の規定はないので、印紙が必要です。
F. 登録免許税
法人登記に関する登録免許税は免除されます。
G. その他
不動産取得税、固定資産税、自動車取得税、自動車税等は、自治体によって減免されることがありますから、各自治体に問い合わせてください。