行政 : 大阪府、雇用創出プランにNPO
大阪府や関西経営者協会などでつくる大阪雇用対策会議は、9月4日、「12万人緊急雇用創出プラン」を発表した。雇用創出のアクションプランには、「NPOの活動基盤の強化」として、「大阪NPOプラザの機能強化」や、「産業支援型NPOとのパートナーシップの構築」などを上げている。
大阪雇用対策会議は、大阪府、大阪労働局、関西経営者協会、連合大阪から構成されている。
大阪府では、産業の構造転換の遅れや世界的な不況などから、この3年間で大阪府域の就業者数が14万人以上減少しており、失業率は、3年前とくらべて1ポイント増の7.2%まで悪化している。
このような状況を受けて、大阪雇用対策会議が、新に雇用対策プランを立案したもの。
プランには、大阪府、大阪労働局、関西経営者協会、連合大阪を中心に、官民一体となって取り組むとしている。
プランは、中小企業の新事業展開による雇用創出、産業の構造転換の推進、雇用のミスマッチ解消、公的セクターを中心とした雇用創出・雇用セーフティネットの整備など4本を柱に、75のアクションプランから構成されており、平成16年度までの3カ年に12万人の雇用を創出するとしている。
アクションプランでは、「中小企業の新事業展開による雇用創出」として、以下のようにNPO向けのアクションプランがある。
(3)NPO活動の基盤の強化
NPOが次々と生まれ、活動しやすい環境づくりを推進し、雇用就業機会の創出につなげるとともに、NPOとのパートナーシップを構築し、質の高いきめ細かな取組みを進める。
(大阪府)
■アクション24- 大阪NPOプラザの機能強化
今年度開設した大阪NPOプラザを活用し、NPOと協働した事業を推進するため、情報発信や相談などソフト面での機能強化を図る。
■アクション25-産業支援型NPOとのパートナーシップの構築
ベンチャー企業の立ち上がり支援や地域の中小企業の活性化などを目的とした「産業支援型NPO」とのパートナーシップを構築し、活動基盤の強化につなげる。
(関経協)
■アクション26-NPOへの人材情報の提供、仲介
今後、雇用の増大が予想されるNPOの経営基盤を強化し、あわせて勤労者や退職者の生きがいづくりにも資するという観点から、「マルチライフ支援センター(仮称)」を設置し、NPOの活動に参加したいとい考えている企業の職員やOBとNPOとのマッチングや研修を行う。
また、それ以外に、アクションプランの中に以下のようなNPOに関する施策が言及されている。
- 大阪府中高年就職支援センター等で、NPO設立等の特別相談の実施を週1回行う。
- 障害者雇用を促進するため、府、国、労使団体、NPO等で「大阪障害者雇用推進会議(仮称)を設立する。
- おおさか人材雇用開発人権センターにおいて、NPO等と連携し、若年者支援プロジェクトを実施。
- ホームレスの自立就労支援のため、府・労働局は、緊急雇用創出特別交付金を有効に活用し、NPOと連携した「野宿生活者常用雇用促進事業」を実施し、自立支援センター入所者の就労による自立が円滑に進むよう支援する。
- 就職困難者の雇用就業の促進を図る地域就労支援事業の実効性を高めるため、地域関係機関、NPO、企業等との連携・協力の充実を図る。
その他、コミュニティ・ビジネスの創出として、「コミュニティビジネス創出支援事業」として、地域ニーズに対応した事業を実施しようとする住民参加型のグループを公募し、優れたプランに対し、事業化奨励金(100万円程度)の交付やアドバイザーの派遣を行うとしている。
この「12万人緊急雇用創出プラン」は、大阪府の以下のホームページで全文を読むことができる。
http://www.pref.osaka.jp/shokosomu/12manplan/index.html