行政 : 日本NGO無償資金協力が始動
政府は、7月9日、「日本NGO無償資金協力」制度の第一号として、ジャパン・プラットフォームのNGOユニット(16団体から構成)に対し、6億1千万円の資金拠出を決定した。この資金は、NGOが、災害・紛争に際の緊急人道支援活動における初動の資金を支援するもの。
ジャパン・プラットフォームは、政府、経済界、NGOが一体となって国際緊急援助を行うための機構。評議会、事務局、NGO ユニットから構成されている。このうち、NGOユニットは、17のNGOが参加している。(正会員が16、オブザーバーが1)
「日本NGO無償資金協力」とは、従来のODAによるNGO支援強化のうち、「草の根無償資金協力」の中の日本のNGOを対象としたもの、および「NGO緊急活動支援無償」の中の日本のNGOに対して実施されてきたものを統合して、今年6月に制度として発足したもの。平成14年度の予算額は20億円。
従来のスキームでは無かった、担当スタッフの人件費など、NGO本部経費への支援が認められるようになった反面、事前・事後の審査が強化されて1000万円以上の資金供与は法人格のあるNGOに限られたり、外部専門化による事前審査の実施、現地監査法人等による外部監査などが求められている。
この制度の内容は、大きく次の3つとなっている。
- 開発協力事業支援(供与限度;原則1000万円、最大5000万円)
日本のNGOが現地で実施するもので、草の根レベルに受益がある開発協力事業への資金協力 - セクター連携支援(供与限度額は(1)と同様)
日本のNGOが他のNGOや研究機関等と連携して実施する開発協力事業への資金協力 - NGO緊急人道支援無償
大規模な武力紛争や自然災害に伴う難民・避難民に対して日本のNGOが実施する人道支援事業への資金協力
ジャパン・プラットフォームへの供与は、(3)のNGO緊急人道支援無償の中にあらかじめ組み込まれているもので、毎年1回供与される枠が設けられている。
なお、外務省経済協力局民間援助支援室では、把握している全国約400のNGOに向けても、この「日本NGO無償資金協力」の実施要領を配布しており、NGOからの申請を受け付けているという。