行政 : 石狩市が総合的市民参加条例施行
北海道石狩市(田岡克介市長、人口約5.5万人)は、「石狩市行政活動への市民活動の推進に関する条例」をこの4月から施行する。この条例には、この条例の運用状況を評価する機関として「市民参加制度審議会」が盛り込まれている。
この「市民参加制度調査審議会」(学識経験者・団体が推薦する者・市民の公募者・市職員で構成)の設置で、その機能は概略以下の通りとなっている。
- この条例の改正・廃止
- この条例に基づく規則その他の規定、公聴会の運営に関する規則等の制定、改廃
- 必要な案件について市民参加手続が実施されたかの評価
- 行政活動への市民活動の推進に関しては、必要事項は検討するが、市の機関からの諮問に応じるだけでなく、調査審議会の発意により市の機関に建議する機能を持つ
この条例は、平成11年の市長選で現市長が公約としていたもの。
現市長の当選後、職員によるプロジェクトチームで「市民参加条例(仮称)」の検討を進め、試案を発表、市民の意見を求めた。
さらに、その後、平成12年7月には、市民参加検制度討委員会(学識経験者2名、アドバイザー1名、市民公募4名、市職員3 名、団体推薦者名3名)を立ち上げ、試案と市民の意見を基に、市民参加の理念等を検討。平成13年3月には、市長に提言書が提出された。
市では、この提言を基に昨年、「石狩市行政活動への市民参加の推進に関する条例(素案)」を作成、市民の意見を求め修正を加えた上、昨年の9月市議会に図り原案どおり可決した。
市の担当者によると、この条例を検討した過程で一番苦労をしたこととしては、行政参加の手法を求めた学識経験者と、NPO活動への支援策を求めたNPO活動家との意見の違いであったという。
そこで、担当者は、今回の条例は、この二つの意見をまとめず、行政活動に対する市民参加の手法を作成し、次の検討課題として、自立した市民活動の支援策を検討したいとしている。
「石狩市行政活動への市民参加の推進に関する条例」は石狩市のホームページにある。