行政 : 東京都が協働の意識調査発表
東京都は、2月13日、都内に事務所を持つNPO法人等に対して、行政との協働について初めての意識調査の結果を発表した。「行政と連携している」または「今後連携を図っていきたい」と答えたNPO法人は約8割にのぼった。また、協働に関して行政に望むこととして、約7割の団体が「市民活動団体に対する理解」をあげている。
この調査は、都庁が、都下の市民活動団体の行政との協働の実態等を把握し、都における今後の協働を推進するための環境づくりに役立てるため、昨年10月に実施したもの。
調査対象団体は、都内に事務所のあるNPO法人1330団体と任意団体303団体の合計1633団体。
有効回答数は723団体。内訳は、NPO法人503団体(回収率37.8%)と任意団体220団体(回収率72.6%)となっている。
調査内容は、団体の行政との関係、行政との具体的関係、関係を重視する行政機関、協働を望む事業形態、協働に関しての行政に望むこと、協働を行わない理由、行政に望む支援策など。
まず、行政との関係について、NPO法人では「情報交換の場を持つなど、不定期であるが連携している」が最も高く31.2%で、「行政とは一定の距離を置いた活動をしているが、今後は行政との連携を図っていきたい」が27.4%、次いで「行政と連携を密にして活動している」が 22.6%となっている。
任意団体では「情報交換の場を持つなど、不定期であるが連携している」が最も高く41.4%で、「行政と連携を密にして活動している」が39.1%をしめ、次いで「行政とは一定の距離を置いた活動をしているが、今後は行政との連携を図っていきたい」が9.1%となっている。
団体が協働関係を重視する行政機関としては、NPO法人では「区市町村」が45.7%で、次いで東京都、そして国であった。任意団体では、「区市町村」が68.2%で、次いで東京都、そして国であった。
行政と協働を望む事業としては、NPO法人は「子どもの健全育成」が最も高く35.4%で、「社会教育」が31.6%となっている。任意団体では、「社会教育・生涯学習」が最も高く38.2%で、「環境保全・自然環境保護」が31.4%となっている。
協働に関して行政に望むことでは、NPO法人は「市民活動団体に対する理解」が最も高く68.6%。次いで「情報の公開」が51.5%となっている。
任意団体では、「市民活動団体に対する理解」が最も高く72.3%。次いで「情報の公開」が49.1%となっている。
行政に望む支援策は、NPO法人と任意団体とも「補助金による支援」が最も多く、次いで「活動の場の提供」となっている。
また行政と協働する予定・希望のない団体で「行政と協働を行なわない理由」としては、NPO法人は「協働を実際に進めるノウハウがない」が最も高く37.0%、次いで「協働に関する知識がない」が30.1%であった。
任意団体では、「独自に活動しており協働を検討する必要がない」が最も高く35.3%、次いで「市民活動団体に対する行政の理解が不足している」が29.4%であった。
この東京都の「市民活動団体の協働に関する意識調査」の詳細は以下に掲載されている。
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index4.htm
さらにNPO法人では行政と「連携している」「情報交換場を持つなど、不定期であるが連携」が5割、任意団体は「連携している」「情報交換場を持つなど、不定期であるが連携している」が7割で、行政との協働では任意団体の方が多い傾向であった。