行政 : 経団連、12分野に「産業振興」の追加を提言
(社)経済団体連合会は、5月18日、「地域における産業集積戦略のあり方―付加価値創造型産業の集積を目指して―」と題する提言を発表した。
これは、日本における地域産業の衰退に対して、それを再活性化させる処方箋の1つとして提言をしたもの。
提言は、「総論」部分と「各論」部分から構成されており、各論部分は、「1. 国の地域経済政策の見直しと地域による戦略・施策の策定」「2. 創業、新規設備投資・事業創出の促進」といった5つの提言から構成されている。
このうち、「2.創業、新規設備投資・事業創出の促進 」で、「(2) 地域NPOによる創業支援」として、「国は、地域において産業振興・支援を目的としたNPOの設立が行えるよう、特定非営利活動促進法を見直すとともに、NPO支援税制を導入すべきである。」と提言している。
関連部分は、以下の通り。
(2) 地域NPOによる創業支援
ベンチャー企業の創業や、中小企業のニーズと大学・公的研究機関におけるシーズとのマッチングを
市場機能に委ねるだけでは限界がある。地域に根付く企業を育成する観点から、国は、地域において
産業振興・支援を目的としたNPOの設立が行えるよう、特定非営利活動促進法を見直すとともに、
NPO支援税制を導入すべきである。
・東大阪市では、優秀な技術を持つ中小企業のニーズと大学、公的研究機関、及び民間の創意に
より生まれたシーズのコーディネートをボランティアにより行う「東大阪地域活性化支援機構」
が設立されている。
・同機構は、1998年12月に施行された「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与する特定非営
利活動促進法」に基づき設立されたものであるが、同法第2条第1項で特定非営利活動が、
1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動、
2. 社会教育の推進を図る活動、
3. まちづくりの推進を図る活動、
4. 文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動、
5. 環境の保全を図る活動、
6. 災害救援活動、
7. 地域安全活動、
8. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動、
9. 国際協力の活動、
10. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動、
11. 子どもの健全育成を図る活動、
12. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動、
の12項目に該当する場合しか認められておらず、産業振興・支援のNPOは原則として認めら
れていない。そこで上記の団体は、まちづくりのNPOとして設立されている。
全文は、経団連のホームページ(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2001/024.html#k2)で読むことが出来る。