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2001年04月11日 10:00

行政 : 民主党が参議院選挙重点公約に「NPO支援税制の拡充」

 

 

 民主党は、この夏に行われる参議院選挙の公約をまとめ、3月23日に公表した。

 公約は『すべての人に公正であるために/7つの改革・21の重点政策 』と題されており、NPOに関しては、この21の重点政策の5番目に掲げられている。

 その部分は以下の通り。

5.NPO

  官主導ではない、市民公益の実現のため、NPO支援税制を拡充します。

 21世紀を柔軟で自己変革可能な活力ある豊かな社会にするためには、官主導による公益ではない、
市民主導による新しい公益概念を生み出すことが必要であり、市民公益を実現・促進させる社会シス
テムをつくり上げることが求められています。NPOを第3のセクターとして認知し、社会システム
のなかに位置付け、育成・促進させるために緊急かつ重要な課題として、まず支援税制の拡充を推進
します。また、そのプロセスとして、NPO支援税制の充実に向けた市民との共同作業をはじめ、新
しい社会システムの構築に向けてNPOとの連携を推進していきます。さらに公益法人等の寄付金税
制についても抜本的見直しをすすめます。
 2001年は国際ボランティア年です。一人ひとりが家庭、地域、職場で豊かに暮らせるよう、ボ
ランティア休暇の普及など、ボランティア・NPOの活動が社会に根づくための促進策を積極的に支
援していきます。

1.NPO活動を支援する税制や優遇措置を多様に展開します。
  ~広く皆で支えるために~

 政府のNPO支援税制は、その対象となることができる認定の基準が厳しすぎ、ほとんどのNPO
にとって絵空事でしかありません。また、支援税制の中身も不十分です。民主党は、認定基準をNP
Oの実態を踏まえた客観的なものへ改正します。また、認定された法人に対する寄付については、多
くの市民が広く支える制度を目指し、税額控除と所得控除の選択制とし、また、NPO法人が行う収
益事業を公益活動に用いた場合については、寄付金として損金算入できることとするなど、市民公益
を促進する制度として充実させます。
 インターネットにおける通信料金の割引、NPOが利用しやすい郵便割引制度の創設を検討します。
また、NPO法人の評価・情報提供機関の設立、法人の立ち上げ資金の融資など税以外の分野でもN
POを支援する措置を推進します。

2.特定非営利活動法人の分野を拡大します。
  ~活動しやすいNPO法人制度にするために~

 特定非営利活動法人の12分野を拡大し、「情報の伝達・普及をはかる活動」「科学技術の推進を
はかる活動」「産業の流通・振興をはかる活動」「消費者の保護をはかる活動」などを追加します。
その他、申請手続きの簡素化、情報公開の方法、虚偽報告等に対する罰則について検討するなど、N
PO法人の活動しやすい環境整備と社会的信頼を高めるために、必要な施策を推進します。

 なお、それ以外にも、NPOやNGOに関連して、以下のような公約が掲げられている。

■「7つの改革」の部分

第7の柱―IT革命

4.地域とNPOが主役になる情報社会を実現します。
  ~NPO支援税制の確立、生活密着型のネットワーク支援~

 ホームヘルパーの資格に情報読解力(情報リテラシー)研修の受講を組み入れて、身近な人による
高齢者へのサポート体制を整えます。
 NPOや地域コミュニティへの寄付を税控除する支援措置を講じるとともに、企業だけに認められ
ている100万円までの情報機器の取得に対する税の優遇措置をNPO・コミュニティの任意団体にも適
用範囲を拡大します。
 自治体などによる福祉・医療、環境教育・資源循環、文化・芸術など生活密着型のネットワークづ
くりを支援します。
 NPOが中小企業、商店街などの地域ビジネスと情報交流を行ったり、NPOと市民を結ぶプロバ
イダを設立したりするための資金を融資する制度を創設します。
 グローバルな市民対話を実現させるため、国際的なNPOの活動を支援することを目的に、多数の
異なる言語を同時に高速処理する技術開発や、超軽量超小型の自動翻訳機・自動通訳の実用化をはじ
め、途上国の情報化を妨げる障害(バリア)の除去を進める研究を促進させます。

■「21の重点政策」の部分

(6)科学技術・生涯教育

3.生涯学習、スポーツを振興します。
  ~芸術、趣味、そして「遊び」で人生を豊かなものに~

 学校施設は地域に開放し、遊び、スポーツ、芸術、文化など多様な活動の場として提供します。子
どもたちだけでなく、仕事帰りの会社員や高齢者などの交流の場として、地域の中心として開放し、
地域の教育力を高めます。
 技術の高度化、転・再就職の準備、知的関心、地域活動のリーダー養成、教養講座など多様な教育
ニーズに対応する生涯学習社会を実現します。子どもから大人までが利用しやすい施設の整備、公民
館活動の活性化や公立図書館のより一層の充実、大学などの学校図書館の開放をします。さらに、コ
ミュニティースクール等を活用し、大学、民間企業、自治体、NPOなど、様々な団体が中心となっ
て、趣味、転職、介護講座など独自性をもって運営できるようにします。

(14)社会資本整備

6.大規模災害に迅速に対応します。
  ~日本型FEMAを設置し、危機管理体制を確立~

 米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)を参考に、内閣総理大臣の権限を強化し、災害情報危機管理の
ための組織(日本型FEMA)を設置します。災害発生直後の初動期において迅速な対応を可能とするた
め、煩雑な諸手続きを簡略化するなど、内閣および関係省庁間の指揮命令系統を改善するとともに、
情報処理能力並びに緊急災害支援の対応に必要な予算を確保し、危機管理能力を飛躍的に高めます。
国・地方公共団体・警察・消防・自衛隊・企業・ボランティア・NPOなどの役割分担・協力体制の
整備をすすめ、災害発生直後の救援活動の円滑化を図ります。

(15)外交・安全保障

6.核のない世界へ核軍縮・不拡散をはじめ軍縮へのリーダーシップを確立します。
  ~常設機関の創設、NGOとの連携強化~

 「民主党核政策」(2000年4月発表)に則り、核兵器のない世界をめざして、核軍縮・不拡散にリー
ダーシップを発揮します。核不拡散条約(NPT)の着実な実施に加え、カットオフ条約や核の先制
使用禁止条約等の提案実現に向けた検討、核軍縮・核不拡散を恒常的に検討し実施状況を監視する常
設機関の創設、「北東アジア非核地帯構想」、内外のNGOや核廃絶に向けた運動の連携等を推進し
ます。さらに、大量破壊兵器などの開発や輸送・取引の縮小に積極的に取り組みます。

10.幅広く厚みのある外交と日本からの発信を推進します。
  ~NGOとの連携強化、国際交流の推進~

 NGO・民間ネットワークと連携し、幅広い厚みのある外交をめざすとともに、留学生支援や若者
交流、スポーツ交流等積極的な国際交流により、日本の伝統・芸術・文化を世界に発信し、「顔」の
見える外交を展開します。

 公約の全文は、民主党のホームページで見ることができる。

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