行政 : 「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」発足
本日、NPO法を推進した市民団体が中心となって、次のNPO制度改革を進めていくための連絡組織「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」を発足させた。
参加団体は、各分野の連合組織など28団体。
午前10時より、連絡会の拡大世話団体会議を開催。
連絡会の設立趣意書、今後の予定、運動としての統一要望書の承認を行った。
午後からは、2手に分かれて、要望書をNPO法を推進した国会議員に手渡すとともに、記者会見を開催し、連絡会の運動方針について説明した。
連絡会では、2001年11月末までに予定されているNPO制度に関する改正を、市民の側から進めていく考えである。
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
設立趣意書
1999年6月8日
特定非営利活動促進法(NPO法)の施行から半年を過ぎ、各地で多数の認証が下り始めています。
この法律では、付則において施行後3年以内(2001年11月末まで)に見直すことを定めておりますが、衆参両院では、施行後2年以内(2000年11月末まで)に税制優遇制度も含めた改正案をまとめるよう、付帯決議しております。この法律は、市民団体の強い働きかけによって成立したという特徴をもっています。そのため、今後の改正に向けても、これまで以上の働きかけが必要です。
そこで私たちは、すでに4月23日に税制改革に向けての勉強会を開催し、その時に表記の連絡会を組織することを決め、本日、世話団体会議で別紙の内容を確認いたしました。
各地・各分野で活躍するNPO/NGOとともに、今後の全国的な運動を展開してきたいと思います。
【1999年中の計画中の予定】
(連絡会主催イベント)
6月28日(月)13:30
東京勉強会(NPO事業サポートセンターにて)
7月1日(木)18:30
大阪勉強会(大阪市社会福祉研修センターにて)
7月17日(土)午後
広島勉強会
(連絡会参加団体の企画により各主要都市で勉強会・討論会を開催)
9月18日
NPOフォーラム’99in東北会議(仙台)の特別分科会にて討論会(連絡会共催)
10~11月
税・法人制度改革の具体的提言と国会などへの要望書の提出
(連絡会参加団体主催イベント)
6月18日(金)18:00
関係国会議員フォーラム
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会設置方針
(990608)
主旨:2001年11月までに行う特定非営利活動促進法(NPO法)改正に向けての市民団体サイドの運動を効果的に推進するため、全国各地のNPO/NGO支援組織によるネットワークをつくる。
組織:原則として、NPO/NGO支援組織の連絡会とする。この問題に関心をもって実質的な参加協力のできる組織によって構成する。
内容:税制改革と法人制度改革の双方を視野に入れる。個別的な調査研究は各団体が自主的に行い、連絡会ではその情報交換を密に行う。
運営:簡便なものとし、世話団体を定めて、その担当者の打ち合わせによって迅速にものごとを決めていく。特に代表はおかないが連絡責任者だけ定めておく。
事務局:各団体で適宜、担う。当面の連絡先は、各世話団体とする。
経費:特に会費等の徴収は行わない。事業ごとに各団体で負担し、精算する。
【 当面の世話団体と担当者は下記の通りとする。 】
<団体名>
<担当者>
<電話番号>
NGO活動推進センター(JANIC)
伊藤道雄
03(3294)5370
NPO事業サポートセンター
田中直輝
03(3438)0360
大阪ボランティア協会
早瀬昇
06(6357)5741
芸術文化振興連絡会議(PAN)
鈴木稀正
03(5353)6600
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
松原明
03(5227)2008
子ども劇場全国センター
高比良正司
0426(42)9208
日本NPOセンター
山岡義典
03(5459)8877
連合・市民ボランティア局
川嶋昭宣
03(5295)0539
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会連絡会参加団体
(990608)
- NPO推進北海道会議(北海道)
- せんだい・みやぎNPOセンター(宮城県)
- NGO活動推進センター(東京都)
- NPO研修・情報センター(東京都)
- NPOサポートセンター(東京都)
- NPO事業サポートセンター(東京都)
- 芸術文化振興連絡会議(東京都)
- 子ども劇場全国センター(東京都)
- さわやか福祉財団(東京都)
- シーズ=市民活動を支える制度をつくる会(東京都)
- 日本NPOセンター(東京都)
- 日本国際ボランティアセンター(東京都)
- 日本青少年音楽団体協議会(東京都)
- チャイルドライン支援センター(東京都)
- 長寿社会文化協会(東京都)
- 連合・市民ボランティア局(日本労働組合総連合会)(東京都)
- 浜松NPOネットワークセンター(静岡県)
- NPO連絡会(愛知県)
- 市民フォーラム21・NPOセンター(愛知県)
- 名古屋NGOセンター(愛知県)
- パートナーシップ・サポートセンター(愛知県)
- 大阪NPOセンター(大阪府)
- 大阪ボランティア協会(大阪府)
- 大阪文化団体連合会(大阪府)
- 関西NGO協議会(大阪府)
- 関西国際交流団体協議会(大阪府)
- ひろしまNPOセンター(広島県)
- NGO福岡ネットワーク(福岡県)
計28団体
(北から/アイウエオ順)
特定非営利活動法人に関する税制上の優遇措置について
要望書
1999年6月8日
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
昨年12月より特定非営利活動促進法(通称NPO法)が施行されました。
私たち市民活動団体としましては、より一層活動がしやすくなるものと大きな期待をもち、この制度を活用していこうと考えています。
これも、国会議員皆様のご尽力のゆえであると深く敬意を表するところです。
しかし、NPO/NGOが、日本でより発展していくための基盤は、まだまだ不十分なところがあります。
とりわけ、NPO法が制定される際に、検討項目として先送りされた税制上の優遇措置の実現は、NPO/NGOが自立して活動するための不可欠で緊急の課題であると考えております。
NPO法の国会審議におきましては、税制上の優遇措置を含めたNPO法の見直しについては「施行後2年以内に検討し、3年以内に措置を講ずる」とされてきました。
ぜひとも、NPO/NGOに関する税制優遇措置の実現をお願いいたしたいと同時に、その税制優遇措置の検討においては、以下の要望を採り入れていただきたくお願いする次第です。
要望事項
1.特定非営利活動を行う法人が一定の基準を満たした場合には、税制上の優遇措置が受けられるような制度の創設を民間による特定非営利活動を一層促進するために、特定非営利活動を行う法人が一定の基準を満たした場合には、税制上の優遇措置を付与することを希望します。この税制上の優遇措置には、次の内容が盛り込まれることが重要であると考えます。
(1)寄付金に対する免税措置を講ずること
個人や企業が特定非営利活動を行う法人に寄付をした場合、この寄付金の一定の額(率)までを所得控除(損金算入)できること。
また、個人の場合は、所得控除もしくは税額控除の仕組みを利用することもできるようにすること。
また、この所得控除(損金算入)については、地方税についても適用すること。
(2)収益事業に関するみなし寄付金制度を設けること
特定非営利活動を行う法人が、法人税法上の収益事業を行った場合、その所得を法人税法上の非収益事業で法人の本来事業に使う場合、その一定の額までみなし寄付金として損金算入できるようにすること。
(3)不動産寄付の場合の免税措置を講ずること
個人が不動産を特定非営利活動を行う法人に寄付した場合は、みなし譲渡課税を適用しないようにすること。
(4)税制上の優遇措置を与えるための認定基準を明確にすること
税制上の優遇措置を与える場合には、認定機関の恣意的な判断を排するため、法律において客観的で明確な認定基準が定められるようにすること。また、その基準は、小さな草の根のボランティア団体でも十分利用可能なものとすること。
(5)独立した認定機関を設置すること
認定が客観的かつ公正に行われるため、独立した認定機関を設置すること。
(6)認定手続の適正さを十分に確保すること
認定の明確な審査期間を定めるとともに、認定を却下する場合には、書面を以て理由を明示すること。不服申し立ての仕組みを制度化するようにすること。
2.法人化を阻害する税制の障壁をなくす措置の検討を
現在、任意団体から特定非営利活動法人になるときに、任意団体が所有する(個人名義の)土地や建物を法人の所有に移転した場合、みなし譲渡課税(寄付金課税又は受贈益課税)、不動産登記税、不動産取得税などがかかることが予想される。このため、特定非営利活動法人となることを見合わせている団体も少なくない。
任意団体から、特定非営利活動法人になる場合は、税務署長の認定の下などで、資産の移転がスムーズにできるよう、これらの税を免税にする措置をとること。