行政 : 経済戦略会議の中間まとめが寄付金税制に言及
小渕恵三首相直属の諮問機関である「経済戦略会議」(議長・樋口広太郎アサヒビール会長)は、23日、首相官邸で、会合を開き、21世紀に向けた「日本経済再生への戦略」の中間報告を決定し、首相に提出した。
中間報告は、小渕政権の中長期的な経済戦略の方向を示したもので、164項目の提言を盛り込んでいる。
この『第2章「健全で創造的な競争社会」の構築とセーフティ・ネットの整備』の『2. 税制改革』で、NPOに関係する税制として、2つの提言が盛り込まれている。
それは、以下の通り。
(3)また、税の体系を中立化・簡素化し、課税ベースを拡大するため、租税特別措置や軽減税率、学校法人や宗教法人などへの優遇措置を全面的に見直すとともに、所得税の課税最低限の引き下げ等に取り組む。
(6)寄付金に対する免税措置を大幅に拡大する。国家に税金として納め、それによって公共財を供給するだけでなく、個人個人が必要と見なす公共財を寄付金によって供給する自由を認めるべきである。
また、『第5章 21世紀への戦略的インフラ投資と公的・私的パートナーシップ』の『1. 未来型社会資本整備への基本戦略』では、次の提言(抜粋)がNPO関連で盛り込まれている。
(3)民間ダイナミズムの積極的導入
21世紀型インフラ整備では、民間活力を最大限活用するために、インフラ整備と規制や基準の大胆の変更が必要である。(中略)
公共投資については、コスト縮減を図るために、費用便益分析を活用すると同時に、地域経済への影響や環境への影響を把握するための評価機関を設置し、NPOなどの団体も活用する。(後略)
この提言は、NPOに対する寄付金控除の拡大について言及したものとして注目される。
経済戦略会議は、さらに内容を検討・肉付けし、来月下旬に最終報告をまとめる方針であるという。