行政 : 公明党チーム税制要望まとめる
公明党NPOプロジェクトチームは、11月25日、与党3党の税制協議会に提案する税制改正要望をまとめた。「みなし寄付金制度の創設」や「日本版パブリックサポートテストの計算式の修正を」等という内容で、NPO/NGO税制度連絡会の要望を大きく取り入れたものとなっている。
公明党NPOプロジェクトチーム(山本保座長)は、25日、「平成15年度税制改正に対する公明党NPOプロジェクトチームの要望」をまとめた。
これは、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(以下「連絡会」)がとりまとめた「NPO支援税制の改善に関する要望書」を受けて、作成されたもの。
公明党の要望は、この連絡会の要望事項を大幅に受け入れた形になっている。
NPOプロジェクトチームはこの要望を公明党内ではかり、与党税制協議会での協議に反映していきたいとしている。
公明党NPOプロジェクトチームがまとめた「平成15年度税制改正に対する公明党NPOプロジェクトチームの要望」は以下の通り。
公明党NPOプロジェクトチームの要望
参議院議員 山本 保
(公明党NPOプロジェクトチーム座長)
「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」が提出した平成15年度税制改正要望を参考に、党NPOプロジェクトチームは、平成15年度税制改正にあたって、以下のように要望いたします(11月18日に行なわれた「「認定NPO法人制度」改正決起集会において提出された要望書のうち、そのなかから重点的に取り上げなければならないものの内容を挙げました)。
(1)認定NPO法人制度全体に関するもの
- みなし寄附金制度の創設を
- 法人税法上の収益事業から、特定非営利活動に係る事業で非収益事業(税法上)に対して支出した場合は、収益事業所得の50%までをみなし寄附金控除にできるようにする。
- 認定の有効期間の延長と認定審査期間の明確化
- 認定期間を2年間から4年間に延長する。
- 認定審査にかかる期間を明文化する(原則的に4ヶ月以内程度)。
- 認定に更新の仕組みの導入を
- 認定NPO法人の認定が切れる前に、更新の申請ができるようにして、認定期間がとぎれないようにする。
- 地方税の寄附控除の措置を
- 個人住民税の課税所得の計算において、認定NPO法人に寄附をした場合の寄附金を国税と連動して控除できるようにする。
- 地方税における寄附金控除足きりを撤廃する。
(2)認定要件に関するもの
- 日本版パブリックサポートテストの計算式の修正を
- 総収入金額等に占める受入寄附金総額等の割合を5分の1以上に、また、初回の認定においては、10分の1以上に緩和する。
- 1者につき3000円未満の寄附金を分子・分母から控除することはしないようにする。
- 分子・分母に(国際機関・政府・地方自治体による)補助金を算入できるようにする。
- 算定寄附金の基準限度額は、受入寄附金総額の5%とする。
- 公益法人等からの助成金は、選考委員会や選考基準が明確であるなどの条件が備わっている場合には、分子に助成金の全額を算入できることとする。
- 社員からの会費に関しては、総会での議決権は、会費の反対給付とはみなさないこととし、寄附扱いできるようにする。
- 広域性の要件の撤廃を
- 広域性の要件は撤廃する。
- 共益団体等の排除の規定の緩和を
- 会員等に対価を得て資産の譲渡等を行う活動や会員等への連絡・交換を行う活動に関する制限については、社員名簿に掲載されている人に限定する。
- 社員の親族要件等の廃止を
- 親族等や特定の法人の従業員等の役員・社員に占める割合に関する制限を課すのは、役員に限定し、社員の親族要件を削除する。
- 宗教・政治活動の制限の緩和を
- 宗教活動・政治活動の全面禁止となっている要件を「事業活動の20%以下」とする。
- 海外の送金に関する届けの緩和を
- 海外に送金する場合の事前届出は一定金額以上(例えば500万円以上)にする。それ以下の金額の送金の場合は、1年間まとめて事後届け出とする。
- 情報公開の内容の緩和を
- 寄附者を公開する金額を50万円以上とする。
- 単年度主義の撤廃を
- 認定要件で、単年度でチェックする方法を、2事業年度(延長した場合は、4事業年度)の合計でチェックする方法に変更する。