行政 : 山口県、委託ガイドライン策定
山口県は、10月23日、全庁的に事務事業の外部委託を推進するための指針として、「外部委託推進ガイドライン」を策定した。外部委託の取り組みの方向として、県民活動団体との協働を積極的に推進することなどがうたわれている。
山口県(二井関成知事)では、「山口県新行政改革指針」を2002年3月に策定し、それを基に、現在、2005年度までを期限とした行政改革に取り組んでいる。
この10月23日に策定された「外部委託推進ガイドライン」は、こうした行政改革の取り組みの一環として作成されたもの。「民間でできることはできる限り民間に委ねる」ことを基本に、外部委託を計画的に推進するためにつくられたものとされている。
ここで「外部委託」は、「県が行政責任を果たす上で必要な監督権などを留保した上で、その事務事業を民間企業、外部の団体、個人などに委託すること」と定義されている。
また、外部委託を検討する業務・事業の範囲としては、県が行う業務・事業全般を対象とするが、以下のものを除くとしている。
- 法令の規定等により県が直接実施しなければならないもの
- 許認可等の公権力の行使に当たるもの
- 政策・施策の企画立案・調整・決定など県自ら判断する必要があるもの
- 公正性や公平性の確保、個人情報保護のため、県自ら実施すべきもの
「外部委託の取組の方向」としては、「定型的業務、専門的業務など、従来から外部委託を進めてきた分野については、改めて事務事業の点検を行い、新規委託や委託内容の拡充に努める」とした上で、「県民活動団体との協働の推進」など、新たな分野における外部委託について、積極的な取組を進めることも検討課題とされている。
「外部委託の判断基準」としては、以下の4点が挙げられている。
- 県自ら実施すべき必要性の検証(民間との役割分担)
- コスト比較、効率性、費用対効果の分析
- サービスの質の確保
- 県としての適正な事業執行の確保
県は、このガイドラインを受けて、10月に決定した「平成15年度当初予算編成方針」において、「『外部委託推進ガイドライン』に沿って、民間との役割や効率性、サービスの質の確保等の点に十分配意の上、民間、NPO等への事務事業の委託を積極的に推進すること」を打ち出した。
「外部委託推進ガイドライン」の詳細は、山口県のホームページを参照。
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/jinji/outsourcing.htm