行政 : センター試験で、NPOの問題
1月19日(日)に行われた大学入試センター試験において、「公民」の「政治・経済」と「現代社会」のそれぞれで、 NPOに関する問題が出題された。
1月19日(日)に行われた大学入試センター試験「公民」の「政治・経済」と「現代社会」で NPOに関する問題が出題された。
出題は「政治・経済」第3問の問4と、「現代社会」第6問の問7。
内容と大学入試センター発表の正解は、下記の通り。
■政治・経済
第3問 次の文章を読み、下の問い(問1~5)に答えよ。
現代社会では、国家と個人の間でさまざまな集団が多元的な活動を展開し、国民の政治参加も、個人よりも集団を通して行われるようになった。
<中略>
他方、現在では、(d)NPO(非営利組織)や市民運動、消費者団体など、必ずしも職業や階層に基礎を置かない集団の活動が社会的重要性を増し、国家の側でもこうした自発的な集団の活動を支援しようとする動きが出ている。
国民の政治参加は民主政治の要であるが、NPOなどの新しいタイプの集団が、今後、いかなる意義を担うことになるのかは、注目に値する課題である。
問4 下線部(d)NPO(非営利組織)に関連して、日本におけるNPOやボランティア活動についての記述として誤っているものを次の1~4のうち一つ選べ。
- NPO法(特定非営利活動促進法)が制定され、NPOによる法人格取得が容易となった。
- NPOはボランティアを基礎としているので、有給の職員を雇うことは禁じられている。
- NPOは知事の指定を受けて、介護保険法に基づく在宅介護サービスを提供することができる。
- 阪神・淡路大震災はボランティア活動の重要性を認識させる大きな出来事となった。
大学入試センター発表の正解:2
■現代社会
第6問 次の文章を読み、下の問い(問1~7)に答えよ。
<前半略>
パーク・アンド・ライドの特徴は、自家用車よりも公共交通機関の利用の方が有利になるような条件を設定して、人々の行動を環境に負荷をかけない方向に誘導する点にある。一方では乗り入れ制限や車線規制等、自家用車に不利に働く政策を打ち出し、他方では路線の充実や料金の割引、専用レーンの設置等により公共交通の利用者を優遇することで、公共交通機関の利用を進めようとするのである。
こうした政策を成功させる上では、(g)その地域に生活している住民の合意や参加が欠かせない。自家用車の利用者に不便を強いるパーク・アンド・ライドの場合、なぜこういった政策を実施するのか、利用者に納得してもらうことが必要である。また、効果的な実施方法を立案するには、行政が地域住民と協力して実験的なパーク・アンド・ライドを行うことも重要である。
<以下略>
問7 下線部(g)その地域に生活している住民の合意や参加に関連して、地域社会における住民の合意や参加についての記述として適当でないものを、次の1~4のうち一つ選べ。
- 地域住民がNPO(非営利組織)を作って、行政とは独自に社会的サービスを提供したり、政策を立案したりするようになった。
- NPOは公共性が高いので、NPO法(特定非営利活動促進法)は、NPOの代表者は監督官庁の資格審査に合格する必要があると規定している。
- 情報公開とは、広報などによって行政機関が情報を提供するだけでなく、住民が知りたい情報を、行政機関に請求することのできる制度を指す。
- 住民は有権者の署名を一定数集めることで、条例の制定・改廃や首長の解職を請求することができる。
大学入試センター発表の正解:2