行政 : 行革事務局の懇談会が延期に
公益法人制度改革の法人制度部分を検討している政府の行政改革推進事務局は、今日開催する予定だった「公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会」を突然延期した。政府税調WGが、昨日、新しい非営利法人を原則課税とする方針を打ち出し、NPO法人関係者が反発を強めている中で、次回の懇談会がいつ開かれるのかは決まっていない。
公益法人制度改革の法人制度部分を検討している政府の行政改革推進事務局は、今日開催する予定だった「公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会」を突然延期した。政府税調WGが、昨日、新しい非営利法人を原則課税とする方針を打ち出し、NPO法人関係者が反発を強めている中で、次回の懇談会がいつ開かれるのかは決まっていない。 政府は、内閣官房に置かれた行政改革推進事務局(石原伸晃担当大臣、以下「行革事務局」と略)で、今回の公益法人制度改革の法人制度部分を検討してきた。検討にあたっては、昨年11月にこの検討を行うために、有識者からなる「公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会」(「懇談会」と略)を立ち上げ、検討を進めてきている。3月末を目途に「公益法人制度改革大綱(仮称)」をまとめるとしている。
行革事務局は、今年1月30日、「懇談会」の場において、事務局案を示した。
その案は、公益法人、中間法人を一本化して、「非営利法人」とすること。NPO法人も基本的にそれに含める方向で調整すること。「非営利法人」のうち、公益性のあるものを「登録非営利法人」とすることなどからなっている。
平行して、この新しい法人の税制に関しては、政府税制調査会の下の基礎問題小委員会に設けられた「非営利法人課税ワーキンググループ(WGと略)」(座長:水野忠恒一橋大学教授)で、その課税のあり方が検討されてきた。
WGでは、1月30日に示された行政改革事務局の案をもとに、「公益法人、NPO法人、中間法人が一本化されるならば、中間法人が原則課税である以上、新しい非営利法人も原則課税とならざるを得ない」と、3月4日の会合で、NPO法人を含む新しい非営利法人の原則課税の方針を打ち出した。
政府税制調査会では、3月11日にWGの最終会合で、原則課税方針を盛り込んだ報告書を了承。3月14日に、基礎問題小委員会に報告。3月18日の税制調査会総会で承認される見込み。この結論を、「大綱」に反映したいとしている。
一方、行革事務局の方でも、大綱に向けて、最終的な検討を行うべく、今日(3月6日)に「懇談会」を開催することとしていた。
しかし、突然、今日になって会議は延期となったもの。延期の理由は、「税制調査会の議論がまとまっていないなど色々事情がある」としている。次回の開催の予定は決まっていない。
シーズでは、「原則課税も問題だが、そもそも、制度趣旨も違い、課税のあり方も違う3つの法人を一本化するという行革事務局の原案自体が問題。原則課税も、この原案から起こってくる問題」と、行革事務局と懇談会の議論を注視してきた。
行革事務局の懇談会の資料や議事録は、以下のホームページを参照のこと。
http://www.gyoukaku.go.jp/jimukyoku/koueki-bappon/kondankai/index.html
政府税調の非営利法人課税ワーキンググループでの資料や議事録は、以下のホームページを参照のこと。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/top.htm