行政 : 自民、来年度の施策に要件緩和
10月7日、自民党政務調査会は『解説・自民党重点施策<2004>「日本の再生と発展をめざして」』を発表した。NPOに関しては、税制優遇措置が適用される認定NPO法人になるための要件の緩和をさらに進めていくとされている。
解説・自民党重点施策<2004>は、平成16年度予算編成に向けた概算要求、税制改正、制度改正などをふまえて、自民党としての来年度の重点施策を解説したもの。10月10日に決定された自民党の政権公約(マニフェスト)とは別のものという位置づけだ。
この解説の中で、来年度の重点施策としては次の7項目をあげている。
- 経済の活性化、デフレの克服、民需主導の景気回復
- 国民の「安全」と「安心」の確保
- 知育、徳育、体育、食育で「人間力」の向上
- 子や孫の世代に責任が持てる行財政の確立
- 日米同盟と国際協調を重視した主体的な外交・安全保障政策
- 夢と活力に満ちた沖縄の実現
- 21世紀の日本にふさわしい国民のための憲法制定
NPOについては、「一 経済の活性化、デフレの克服、民需主導の景気回復」の「(三)地方分権と三位一体改革、構造改革特区、NPO支援、都市再生、中心市街地活性化、観光立国推進で地方の活性化」のなかで、「3だれもが参加しやすいNPO活動・組織の育成・支援」としてNPOへの積極的な支援が施策として打ち出されている。
そのなかで、「より活力があり豊かな安心できる社会を築くうえで、ボランティア活動は重要な役割をはたします。だれもが参加できる健全な市民活動(NPO)組織を育成し、活性化するための環境基盤整備を充実します。」とNPOに対する積極的な支援の姿勢を示した。
また、支援税制については、「具体的には、NPO法人は自らの活動を積極的に住民等に明らかにし、幅広い信用に基づき、物心両面での支援を受けて生き生きと活動することが基本のため情報公開を一層徹底するための措置を講じるとともに、税制優遇措置が適用される認定NPO法人になるための認定要件の緩和をさらに進めてまいります。」とされている。
そのほか、NPOに関連した施策としては、個性的で魅力ある地域(コミュニティ)づくりのための住民NPOへの支援、エネルギー施策におけるNGO等による省エネルギーへの取組への支援、NGO・NPO団体と協力しておこなうアジア諸国の障害者支援、NGOと連携・協力した国民参加型のODAの実施などが記載されている。
『解説 自民党重点施策<2004>「日本の再生と発展をめざして」』は、自民党サイト http://www.jimin.jp/ ( http://www.jimin.jp/jimin/saishin03/seisaku-012.html ) で全文を見ることが出来る。
『解説・自民党重点施策<2004>「日本の再生と発展をめざして」』におけるNPO支援に関する施策は下記のとおり。
「日本の再生と発展をめざして」
自民党 政務調査会
一 経済の活性化、デフレの克服、民需主導の景気回復
(三)地方分権と三位一体改革、構造改革特区、NPO支援、都市再生、中心市街地活性化、観光立国推進で地方の活性化
3 だれもが参加しやすいNPO活動・組織の育成・支援
住民が一体感・連帯感をもち、また、人が人として持っている親切心、助け合いの気持ちを自然と発揮できる社会を構築します。
より活力があり豊かな安心できる社会を築くうえで、ボランティア活動は重要な役割をはたします。だれもが参加できる健全な市民活動(NPO)組織を育成し、活性化するための環境基盤整備を充実します。
昨今の経済社会では、地方分権の進展、公共サービスの民間開放、行政プロセスに対する評価・モニターの動き等を背景に、官民の役割分担の見直しが行われ、企業や個人と並んで、NPOが重要な役割を担いつつあり、NPOが新たな経済主体となってきました。
少子高齢化の進展や環境問題の顕在化などにより、医療福祉サービス、社会教育、まちづくり、リサイクルなどの社会生活分野では、NPOの特性であるコミュニティへの密着性、需給の双方向性、個人の多様なニーズへの対応などを活かすことにより、大きな成長が期待されています。
NPOの発展拡大は、高齢者、家事専業者、障害者などに社会参画を促し、中長期的に懸念される労働力人口の減少を補うとともに、NPOがパートタイム型の就業形態を有している点をみれば、ワークシェアリングの進展により、柔軟に自己表現を満たす働き方を求める勤労者にとっても、主要な就業・兼業の場の一つにもなります。
このため、わが党は、NPOと国・地方自治体及び企業の三者が、有効に連携し機能することによって、多様化する社会に対応することが可能となり、結果として「小さな政府」の実現に寄与することにもなり、将来的には、GDPの10%を担うことができるよう、NPO活動に対する支援策を積極的に推進します。
具体的には、NPO法人は自らの活動を積極的に住民等に明らかにし、幅広い信用に基づき、物心両面での支援を受けて生き生きと活動することが基本のため情報公開を一層徹底するための措置を講じるとともに、税制優遇措置が適用される認定NPO法人になるための認定要件の緩和をさらに進めてまいります。