行政 : 内閣府、初の認証取消へ
内閣府は、12月25日、初の認証取消手続きを開始したと発表した。対象は6法人。2月上旬に聴聞を実施する。また、同府では、活動内容に懸念があると市民から情報提供のあった4法人など、計130法人に対して、「市民への説明要請」も実施した。
12月25日に、認証取消しの手続きの一環として、聴聞の通知が発出されたのは、以下の6法人。
- 消費者問題研究会(東京都)
- 福岡浄化槽自主管理協会(福岡県)
- 日本バングラデシュ文化経済振興センター(東京都)
- 全国福祉ゲートボール連合会(東京都)
- ロボット技術を活かす会(京都府)
- 公害防止全国協議会(東京都)
※( )内は主たる事務所の所在地。
消費者問題研究会は、幹部らが恐喝行為や業務妨害行為などを行って逮捕され、内閣府がNPO法に基づく報告徴収を求めたが十分な回答が得られなかった。福岡浄化槽自主管理協会は、許可なく汚水の収集運搬を行い、内閣府より改善命令を受けたが、回答をしていない。ほか、4団体は、3年以上にわたり、事業報告書を提出していなかった。
最終的な処分は、聴聞を経たうえで決定される。6法人に対する聴聞は2月上旬に実施され、早ければ年度内にも処分が決定する見通しだ。
聴聞は、当該NPO法人が請求した場合は公開されるが、今のところは公開かどうか、聴聞期日などは明らかになっていない。1998年のNPO法施行後、認証取消手続きが開始されたのは初めて。
さらに、内閣府では、12月25日、以下の計130法人に対する「市民に対する説明要請」も実施した。
- 市民からその活動を懸念する情報の提供等があった4法人(認証申請中を含む)
- 事務所の実態について疑義のある60法人(認証申請中を含む)
- 事業報告書等の書類の提出がない35法人 (2.と3.について1法人が重複)
- 設立登記に係る届出書の提出がない32団体
内閣府は、実施方法は、当該団体に任せるとしており、「団体が運営するホームページ上における説明文書の掲載」や、「適切な人数を収容できる会場における説明会」などを例にあげている。説明期限は1月30日で、その説明内容を文書にて内閣府に提出する必要がある。文書の提出期限は2月6日。提出された文書は内閣府のHPに公表される。
内閣府の担当者は、「事業報告書の未提出の法人には、何度も提出するように要請してきており、過料の手続きも適正に行っている。事業報告書の提出期限から6ケ月を経過しても提出のないことから、年末ということもあり、このたびのタイミングで行った。」と説明している。
「市民に対する説明要請」とは、NPO法にはその根拠のないもので、内閣府では2003年5月より行政指導として実施している。
内閣府では、12月18日に、「NPO法の運用方針」を改正し、12月25日から適用している。運用方針では、「NPO法人自らが広く市民に対して自主的に説明を行うよう要請することを軸に据えた運用を認証及び監督の両段階において一貫して行う。 」とし、「市民への説明要請」の適用範囲を事業報告書もれなどにも拡大していた。
「設立認証の取消し」と、「市民への説明要請」についての詳細は、以下のURLを参照のこと。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/npo/