行政 : 群馬県、間伐材を無償提供
群馬県(小寺弘之知事)は、山林内で伐採されて放置されている杉の間伐材をNPOなどに無償提供して、活用してもらう事業を開始した。12月14日には、第一回の配布がおこなわれ、ボランティア団体など13グループが集まり、間伐材を運び出した。
近年、杉の間伐材は価格が低くなっており、運び出し費用のほうが高くつくため、群馬県の山林では伐採されたまま丸太として放置されているものが多くなっている。
群馬県の林政課は、こうした間伐材の所有者に、間伐材を県内のボランティア団体などに無償で提供してもらう事業を開始した。運び出し作業を通じて林業への理解を深めてもらい、実際に利用することで木材の良さを知ってもらって木材の利用を促進するのが狙い。
県は山林の所有者から杉の間伐材の無償提供者を募り、同時に、県内のNPOやボランティア団体などを対象にして間伐材が欲しいグループを募集。非営利目的に限って、利用目的などを審査した上でグループを選定し、運び出し作業の方法などをアドバイスした。12月14日には山林に集まって運び出しがおこなわれた。
14日に間伐材が無償提供されたのは13グループ、約70名。提供された杉の木は約300本で、太さは約7-25センチ。駅前の美化に取り組む団体は花壇を囲うため、ボーイスカウトは手作り椅子をつくるため、商店街は駐車場の中にミニパークをつくるためといった利用目的で丸太を持ち帰った。
県は、今後も間伐材の所有者と利用者の橋渡しを続けていく予定。
林政課の担当者は
「無償提供された人たちは、間伐材とはいえ木材として価値のあるものが捨てられたままになっている実態を知って驚いていた。
引き取りに必要な作業と輸送車両などの費用はそれぞれの団体に負担してもらったが、品質のよい木材を活動の中で活用できると喜んでもらえた。
提供を受けた人たちが作業や加工の体験によって林業の現状と木材の価値を知ってくれて、その人たちの活動を通じて、多くの人たちが木材のよさを知ってくれれば嬉しい。」
と語った。