行政 : 中央共募、10の提言
(社福)中央共同募金会は、民間の社会福祉事業を支援する助成プログラムについて、日米英の比較調査研究を実施し、その要約を2月16日にホームページで公表した。報告書は、NPO法人への立ち上げ資金への助成や、社会変化に対応するより戦略的な助成、成果重視の評価指標の作成など、10の提言を盛り込んでいる。
赤い羽根募金で知られる共同募金会の中央組織(社福)中央共同募金会は、2002年から2003年にかけて、民間の社会福祉事業を支援する助成プログラムの有効活用に関し、日米英の比較調査研究を行った。
2月16日、その研究報告の要約をホームページにも掲載した。
調査研究を行ったのは、中央共同募金会が設置した比較調査研究委員会(委員長:大橋謙策 日本社会事業大学教授)。
同委員会は、米国のユナイテッドウェイ(United Way)や首都地域のコミュニティ財団(The Community Foundation for the National Capital Region)、また英国のコミュニティ基金(Community Fund)、チャリティー援助財団(Charities Aid Foundation)などを訪問。
両国の民間組織への助成プログラムのトレンド、また社会的効果などについて比較調査研究を行った。
同委員会では、この研究成果を踏まえ「日米英民間財源比較調査研究報告書」をまとめて発行しており、このなかで日本の民間助成団体に対して、次のような10の提言を発表している。
- 助成団体が相互に情報の共有化をしたり、助成のあり方や評価方法などについて共同研究を行うこと
- 社会環境の変化に伴い、NPOなどが対応すべき社会的課題と役割を予測し、資金ニーズを明らかにすること
- より効果的・戦略的な助成方針・プログラムを形成すること
- 地域社会の特性に鑑み、よりコミュニティ重視の助成に転換すること
- 増加しているNPOの基盤整備と発展のため、柔軟な助成プログラムを開発すること
- 社会的影響、波及効果についての成果を重視するため、アセスメント指標を作り広く提示すること
- 社会的信頼性を高めるため、助成プロセス、審査基準、選考委員情報など、情報を開示していくこと
- プログラム・オフィサーなど担当者や、組織の専門的力量を高めていくこと
- 資金仲介だけでなく、NPO中間組織や研究機関、行政などとネットワークを形成し、社会的支援システム拡充を図ること
- 寄附や民間助成の必要性についてのキャンペーン実施や、公益法人制度や税制優遇策について関係団体と協力すること
同研究の報告書の入手方法や、要約については次のアドレスを参照のこと。
http://www.akaihane.or.jp/