行政 : シーズ、キックオフ10周年イベント
今年4月23日、NPO法の立法運動のきっかけとなり、シーズの発足が決まったシンポジウム「市民活動を支える制度を考える」からまる10年がたつ。これを記念して、4月24日、シーズは東京で、これからのNPO発展のための課題を考えるイベントを開催する。当日は、NPOの現場のさまざまな事例を通じて、これからのNPOのあるべき方向性を考える。
今から10年前の1994年4月23日、有志の実行委員会によるシンポジウム「市民活動を支える制度を考える」が、東京新宿にある全労済会館で開催され、NPOのための新しい制度と立法運動が提案された。このイベントをきっかけに「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会」を発足させることが本格的に決まり、準備期間を経て、同年11月5日にシーズが結成された。
24日1時半から開催される10周年イベントのタイトルは、「どこへいく? NPO/ 振り返り、そして行動しよう!」。
10年前と同じ東京新宿にある「全労済東京都本部会議室」を会場にして、シーズが主催、当時「市民活動を支える制度をつくる会」準備会の事務局を担っていたNPO法人東京ランポの協力で開催される。
24日のシンポジウムは2部構成。
第1部では、シーズの松原明と轟木洋子によるNPOの現状報告に続いて、現場からの問題提起がおこなわれる。具体的には、NPOによる消費者被害の問題。加えて所轄庁の指導強化、行政とのパートナーシップにおけるNPOの自立性などについて事例報告と問題提起がおこなわれる。発表者は宇都宮健児氏(弁護士・東京市民法律事務所)、大野直之氏(自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会)、根本悦子氏(ブリッジ エーシア ジャパン・理事長)。
第2部では、今後のNPOの進むべき方向性やNPOを発展させていく運動のあり方について考えるパネルディスカッションが予定されている。パネリストは山北洋二氏(あしなが育英会・理事)、宇都宮健児氏(弁護士・東京市民法律事務所)、根本悦子氏(ブリッジ エーシア ジャパン・理事長)とシーズの松原明。
シーズ事務局長松原明は、当時を振り返って、「10年前のイベントでは、市民団体が簡易に法人化できる『市民活動推進法案』の提案や、寄附税制の創設の必要性を訴え、立法運動を起こしていこうと呼びかけた。客席からは、『議論の時期は過ぎた。運動を起こすべき』という力強い反響があり、主催者である私たちは、立法運動団体としてのシーズを立ち上げる決意を固めたものだった。この10年を振り返ると、その時の議論が今のNPO法をつくる土台となっていると感じている。NPO法や認定NPO法人制度もでき、NPO法人の数も1万5千法人を超えた。シーズのミッションは一定の達成を見たわけだが、NPOを取り巻くこのような新しい環境の中で、再び、市民活動が発展していくために新しい運動を起こすべき時期が来ていると感じている。今回のイベントが、新しい運動のスタートになればと考えている。NPOのこれからに関心がある人にはぜひ参加してほしい」と語っている。
シーズ・キックオフ10周年イベントの詳細は、NPOWEB内の下記を参照のこと。
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1599