行政 : 長野NPO夢バンク、融資先募集
長野のNPO法人「NPO夢バンク」が融資希望者を募集している。申請は年に4回受付けており、今は設立してから3回目の募集中。締め切りは6月30日。また、NPO夢バンクへの寄付や、融資の原資となるNPO夢バンク事業組合への出資も広く募集している。
特定非営利活動法人NPO夢バンクは、昨年8月に設立、11月に県から認証を受け、12月に設立登記をすませた。
県内4箇所で開かれたNPOと行政との懇話会(長野県生活文化課主催)において、立ち上げ資金や運転資金の不足が、NPOの設立や運営を困難にしているという指摘が多くだされたことがきっかけだった。
NPOが融資を受けたいと思っても、活動実績が必要であったりするなど既存の金融機関では、なかなかハードルが高いのが現実。
このような状況を改善しNPOを市民が応援する仕組みをつくろうと、NPOを専門に支援する「NPO夢バンク」が設立された。これには、長野県NPOセンターが中心となり、地元の企業や金融機関も支援している。
NPO法人は出資を受けることができないため、出資の受け皿となる「NPO夢バンク事業組合」を設立。事業組合が「NPO夢バンク」に融資し、その資金を「NPO夢バンク」がNPOに融資する仕組みだ。先行する北海道NPOバンクの仕組みを参考にしたという。12月中に両者とも貸金業登録も終え、融資受付を開始した。
融資を受けるには、「NPO夢バンク事業組合」の組合員となることが条件だが、1万円以上の出資で組合員になることが可能。対象は長野県内のNPO法人か、法人格の取得を目指す団体。立ち上げ資金や運転資金、設備資金を借りられる。
融資限度額は、原則として300万円。立ち上げ資金に限っては、原則として100万円以内となるが、理事会の承認があれば300万円を限度に融資を受けることができる。その他の使途の場合、同じく理事会の承認があれば500万円の融資も可能となる。
期間は3年以内で、利率は2%から3%。連帯保証人は代表者を含めて2名必要。資金使途が企業または行政からの委託事業に係るつなぎ資金である場合は1名でも可。担保は原則として不要。
融資の審査にあたっては現役の金融機関職員などが行う。また、融資だけでなく、人材紹介や物資等の提供、アドバイスを行う総合的な支援バンクとして活動を展開していきたいとしている。
現在集まった資金は2000万円程度。目標の1億円にはまだ及ばない。NPO夢バンクでは、「ぜひ、多くの人にこの仕組みを支えてもらいたい。これからも事業組合への出資を募っていくことはもちろんのこと、NPO夢バンクへの寄付もお願いしたい。そして、ゆくゆくは、認定NPO法人になって、寄付をしてくださる方に少しでも税制面などでメリットを享受してもらいたい」と話している。
現在は夢バンク設立後3回目の融資利用受付中で締め切りは6月30日まで。以降は9月末、12月末と3か月ごとに区切って希望を受け付けていく。
NPO夢バンクの詳細については、以下を参照のこと。
http://www.yumebank.org/