行政 : 国交省、NPO参加で水害対応力強化
国土交通省が7月30日に発表した「国土交通省重点施策」には、大規模災害対策のひとつとして、NPOや企業の参加で水害対応力を強化することが盛り込まれた。同省は、NPOや企業を協力団体に指定して水防活動に参加してもらうことを可能とするために、水防法改正の検討も開始した。
7月30日に国土交通省が発表した「国土交通省重点施策」には、7月中旬の新潟・福島、福井豪雨災害を踏まえて、地域水防力の強化が盛り込まれた。
現在、地域社会において大雨の時の警戒や被害拡大を防ぐ活動を担っているのは、地元の水防団員。
水防団員は特別職の地方公務員で、一般にいう給料はないが、活動に対しては手当が支給され、活動に必要な制服や作業服なども支給される。さらに、活動中にケガを負った場合などは条例に基づき補償される。また水防法によって活動に際しての権限も付与されている。
水防団員は消防団員との兼任がほとんどだが、1960年には全国で160万人いたのが2003年は95万人に減少し、新入団員が減るなかで団員の高齢化の問題も生じて、その不足が深刻化している。
こうした現状を踏まえ、国土交通省は地域の防災力を強化するためにNPOや企業などを水防協力団体に位置づけ、地域防災力を高めることを「重点施策」のひとつとした。具体的には、水害時の避難誘導、平時においても堤防の総点検などに参加してもらうことを想定している。
同省河川局防災課によれば、現在、この施策の具体的な検討をおこなっているとのこと。今後、必要となれば、水防法の改正案を次期通常国会に提出する方針だという。
「国土交通省重点施策」は、国土交通省サイト内、下記を参照のこと。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/01/010730_3_.html