行政 : WAMの基金助成、9月より募集開始
独立行政法人福祉医療機構(通称「WAM」)の平成17年度「長寿・子育て・障害者基金」助成事業の募集が、9月1日から始まる。今年度は、「痴呆性高齢者を介護する家族の負担軽減に関する事業」、「障害者の自立生活・就労の支援に関する事業」、「子育て支援のネットワークづくりに関する事業」、「児童虐待に関する活動への支援強化事業」、「新しい障害者スポーツの啓発・普及事業」が重点分野となっている。申請受付は10月末まで。
独立行政法人福祉医療機構(以下「WAM」)の前身は社会福祉・医療事業団。特殊法人改革で平成15年10月に同事業団を承継して設立された。
WAMでは、社会福祉施設等に必要な資金の融資や経営診断、指導事業、社会福祉施設の職員を対象とした退職手当共済事業などの事業を展開している。
「長寿・子育て・障害者基金」は、平成2年に政府から「長寿社会福祉基金」として700億円が出資されたのを皮切りに、順次、「高齢者・障害者福祉基金」(500億円)、「子育て支援基金」(1,300億円)、「障害者スポーツ支援基金」(300億円)が出資されたもの。これら4種類の基金総計は現在2800億円で、日本でも有数の規模となっている。この運用益を用いて全国の社会福祉団体の先駆的な取組みや地域密着の活動などを支援している。
このたびの募集では、昨年度新たに導入した「助成事業の事後評価」の結果等を踏まえ、募集要領の一部見直しを行なっているのが特徴。
平成15年10月に設置された、外部有識者で構成される基金事業審査・評価委員会による「平成14年度助成事業に関する事後評価報告書」の提言を受け、以下のような点が見直されている。
- 助成事業の選定にあたっての考慮事項であるため、事業の必要性や目的、助成終了後の事業継続の計画や意向、参加者へのアンケート等の事業効果の確認を行なう予定等を、要望時に具体的に記載すること。
- 昨年度に引き続き、外部委託等の占める割合が過半を超える事業は、原則として助成対象としないこと。
- 事業終了後自己評価書を提出するとともに、WAMが実施する助成事業の事後評価に協力すること。
- 昨年度に続き、重点助成分野を設定しており、今年は、以下の事業が重点分野。
- 長寿社会福祉基金
「痴呆性高齢者を介護する家族の負担軽減に関する事業」 - 高齢者・障害者福祉基金
「障害者の自立生活・就労の支援に関する事業」 - 子育て支援基金
「子育て支援のネットワークづくりに関する事業」および「児童虐待に関する活動への支援強化事業」 - 障害者スポーツ支援基金
「新しい障害者スポーツの啓発・普及事業」
- 長寿社会福祉基金
また、「多種多様な福祉ニーズに対応していくため、保健医療との連携を進める事業など、分野横断的な取組みを行なう事業や、事業の対象者を基金の別や制度の別にとらわれず幅広くとらえて取り組む事業など、新しい発想に基づく従来の枠を超えた活動について積極的に支援していく」としており、従来の枠組みにとらわれない支援を積極的に行っていく姿勢を強く打ち出している。
それぞれの基金には、「一般分」、「特別分」、「地方分」の助成区分(長寿社会福祉基金のみ「地方分」の区分がない)があり、「一般分」は全国的な規模で効果が期待できる事業を、「特別分」は独創性、先駆性、普遍性のある事業を、「地方分」は、きめ細かな地域レベルでの事業を支援する。
助成限度額は、「特別分」が500万円、「地方分」が200万円。「一般分」は、助成対象事業を実施するために必要な経費だが、不動産購入費などはのぞく。
NPOは法人格の有無を問わず応募できるが、「一般分」は、全国規模の法人又は団体であって、助成事業の実施体制が整っている法人又は団体が対象となる。
募集要領や要望書の様式は、郵便などで請求できるほか、WAMのHPからもダウンロードできる。
募集開始は9月1日から10月31日(当日消印有効)まで。
助成事業の詳細は以下のURLを参照のこと。
http://www.wam.go.jp/wam/