行政 : 消費者団体訴訟制度を担うNPO設立
現在、内閣府の国民生活審議会では、消費者契約法等に照らして不当な約款・勧誘行為の差し止めを求めて、消費者団体が提訴することができる「消費者団体訴訟制度」の法制化が検討されている。1、2年後を目途に法制化が進む中、9月17日、日本生活協同組合連合会など消費者関連3団体は、訴訟の担い手となる「消費者機構日本(COJ)」の設立総会を開催した。同団体は、近日中にNPO法人の認証申請を行う。
悪質商法を巡るトラブルは、多数の消費者が被害を受けても1人当たりの被害額が比較的小さく、裁判の費用や手間を考えて泣き寝入りするケースが多いという。その結果、悪質事業者に不当利得が残り、同様の行為を悪質事業者が繰り返すため、さらに被害が拡大する。
「消費者団体訴訟制度」とは、一定の条件を満たした消費者団体が、悪質商法をおこなう事業者に対して、消費者契約法等に照らして不当な契約条項や不当な勧誘行為などの差し止めを求める訴訟を起こすことができる制度。現在、首相の諮問機関である国民生活審議会消費者政策部会の検討委員会で法制化に向けた作業が進められており、早ければ来年にも法案が提出され、1、2年後に法制化される見込み。
この制度に欠かせないのが訴訟を担う消費者側の団体。9月17日には、(財)日本消費者協会、(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、日本生活協同組合連合会の3団体が中心となって、団体訴訟の担い手となる「消費者機構日本(COJ)」を設立。同日、東京で設立総会を開催した。
会長には前公正取引委員会委員長の根来泰周氏が、理事長には日本生協連専務理事の品川尚志氏が就任。 同団体は、近日中にNPO法人の認証申請を行う。
「消費者機構日本(COJ)」の磯辺浩一理事・事務局長は、「当面は、不当な約款や勧誘行為の是正を当該の事業者や所管官庁に働きかけていきます。そのような活動実績を積み上げて、消費者団体訴訟制度が実現した時には、同制度を活用できるだけの力を持った団体となることを目指します。」と抱負を語った。