行政 : 京都でクマ問題のシンポジウム開催
日本全国でクマの出没による被害が問題になっていることをうけて、1月29日、京都市で「緊急!!クマシンポジウム」が開催される。主催は、独立行政法人環境再生機構地球環境基金。
昨年後半、全国各地で、住民が人里に現れたクマに襲われて死傷したという事件が続き問題となった。
クマの人里への出没の原因としては、昨年夏の猛暑や度重なる台風の影響によってクマの生息する奥山にドングリなどの餌が少なくなり、家畜やごみを求めて現れるとする説、宅地化が進んで生息地と人里の境界地域が狭まったとする説、逆に、生息地に近い山間地の人口が少なくなり、人を恐れないクマが増えたという説など、諸説がある。
本州にいるクマは、アジアに広く分布する「ツキノワグマ」。体長は1.5メートル、体重は120キロほど。北海道にいるヒグマより小さく、もともとは憶病だとされていたが、突然人に出くわすと防衛本能から襲いかかることもあり、冬眠を前にたくさんの餌を必要とする昨年秋には、その被害が各地で報告され新聞をにぎわせた。
1月29日の午後1時から京都市で開催される、「緊急!!クマシンポジウム」の副題は「なぜクマが人里に出没するのか?その対策はどうすべきなのか?」。
会場は京都市国際交流会館。対象は中学生以上。参加費は無料。定員200名。事前に申し込む必要がある。主催するのは、独立行政法人環境再生機構地球環境基金。企画は任意団体の日本クマネットワーク。
主催者は、「クマに関する生態調査や保護活動は各地で行われており、研究会なども開催されているが、学際的、横断的にクマの問題を考えるシンポジウムはあまり無かったとのこと。対象を中学生以上としたのは、クマの問題を通じて環境問題や動物と人間の共生などを考えるきっかけとなればいいと考えたからだ。研究者などの専門家が登壇するが、できるだけ一般にもわかりやすい内容とすることにつとめてもらうので、気楽に参加していただきたい。」と参加を呼びかけている。
「緊急!!クマシンポジウム」については、独立行政法人環境再生機構サイト内、下記を参照のこと。
http://www.erca.go.jp/jfge/col/pdf/sizen_001.pdf