行政 : 政府税調、NPO法人税制を見直しへ
政府税制調査会(首相の諮問機関)は、1月25日、今年最初の総会を開き、来年度の税制改正に向けた議論を開始した。石弘光会長は、総会後に記者会見を行い、今年年末までの議論で、NPO法人や公益法人の課税問題や寄附金税制の見直しについて検討していくことになると語った。
政府税制調査会は、1月25日の総会で、06年度税制改正に向けて、今年中に検討する予定である主要な論点やスケジュールについて議論を行った。
総会後の記者会見で、石弘光会長は、所得税・個人住民税の抜本的見直し、財政収支黒字化に向けた歳出・歳入の見直し、酒税や環境税の見直しなどとならんで、NPO法人や公益法人の課税見直しや寄付税制の見直しが、今年の主要な論点になるとの見通しを示した。
石会長は、会見で、インド洋大津波での寄付の事例を引きながら、NPO法人の活躍は今後日本において非常に重要であるとして、寄付税制を見直していくことを示唆した。
また検討のスケジュールに関しては、2月、3月と社会保障に関する勉強会を行った後に、税源移譲や環境税、公益法人の課税見直しが課題になるとの見通しを述べた。
記者会見での石会長の会見におけるNPO法人関連部分は以下の通り。(財務省のホームページから)
NPO法人を含めての公益法人のなかでの課税問題、とりわけ寄附金税制について、たまたま災害が続いております。例の大津波の寄附の話もございましたが、あの辺の問題意識はこれからますます重要になろうと思いますし、それから官と民だけがすべからく経済の主体ではなくて、第三セクター的な意味合いの真ん中にありますNPO法人的なところの活躍は、今後日本にとっても非常に重要でありますから、その問題につきまして、寄附金税制という切り口から幾つか問題点がでてくると、このように考えております。
(中略)
2月、3月の社会保障の勉強会を経た後の税源移譲の問題、環境税、それから公益法人の問題、それから消費税、まあ酒の問題は具体的な姿形をどうするかということで議論もでましたけれども、当然酒の問題。まあ今日は納番がでませんでしたけど、それもいずれ視野に入ってくるだろうと、このように考えておりまして、大体年末にかけての取り扱うべき主要な税制改革の今後につきましては、ひと当たり皆さんのご関心も聞いたので、従いましてこれから議論を深めていきたいと、このように考えています。
※納番:納税者番号制のこと
なお、総会(第24回)・基礎問題小委員会(第28回)合同会議後の石会長記者会見の模様は、以下のホームページで読むことができる。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/kaiken/b24kaiken.htm