行政 : 小田原市、アンケートで予算配分
1月7日、神奈川県小田原市は、2005年度予算編成で市民税の1%相当額(約1億円)の使途を、市民アンケートの結果を踏まえて配分すると発表した。昨年12月に1%条例を制定した市川市の条例は、市民が選んだNPO等への補助金として市税が配分されるが、小田原市の場合は、市の事業から3分野を市民アンケートで選んで、そこに市民税の1%相当額を配分する。
小田原市が7日に発表した事業の名称は「市民の選択による予算配分システムの導入 」。小澤良明市長が掲げたマニフェストの一つである「市民の選択を予算配分に反映させる」という公約を具現化するために導入されることとなった。
目的は、市民の納税意識と地域への連帯意識を高めるとともに、市民との協働によるまちづくりを積極的に推進し、市民本位の市政を目指すこと。
同市は、「市民の選択による予算配分システムの導入 」に先立ち、2003年度に市民3,000人(成人市民から無作為抽出)を対象にして、「市民満足度・重要度調査」を実施している。この調査では、道路の整備、子育て支援策の充実、学校教育の充実、介護保険サービスの充実、高齢者福祉の充実、商工業の振興、魅力ある都市・まちなみづくりの推進、の7つの分野で、「重要度が高いにもかかわらず満足度が低い」ことが明らかとなった。
2005年度の「市民の選択による予算配分システムの導入 」実現に向けて、今年1月、市はこの7つの分野について、再度、同じ市民を対象にアンケート用紙を郵送。小田原市民として「税金をもっとここに使ってほしい」と思う分野を3つ選んでもらった。
小田原市行政経営室によれば、その回答の多い順に3分野を選び、回答数にしたがって市民税の1%相当額(約1億円)を重点配分として加算するとのこと。具体的な事業については、「市民満足度・重要度調査」から得られた市民の意見や要望を踏まえ、選択された3分野に関係する部局が事業計画を立案する。3月の議会でこの予算が議決されれば、2005年度から実施される。