行政 : 地下鉄サリンから10年、都内でイベント開催
地下鉄サリン事件が20日で10年を迎えるのを前に、3月19日(土)、都内では、被害者らが地下鉄の沿線を献花しながら歩く「メモリアル・ウォーキング・ケア」や、今もなお後遺症に苦しむ被害者らにスポットをあてたシンポジウムなどが開催される。
地下鉄サリン事件は、1995年3月20日、通勤客で混雑する午前8時過ぎ、霞ヶ関駅を通る営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線、千代田線などで発生。約6000名の死傷者を出した。
被害者は10年たった今も、頭痛や視力低下などの身体的な後遺症に加え、精神的な後遺症にも苦しんでいるという。
このような現実を世間に訴え、被害者支援の必要性をアピールするとともに、事件を風化させないようにしようと、3月19日(土)、都内で「メモリアル・ウォーキング・ケア」や、シンポジウム「あれから10年~地下鉄サリン事件の被害者は今?~」などのイベントが開催される。
メモリアル・ウォーキング・ケアは、被害者ケアのための無料検診や相談などを行っているNPO法人リカバリー・サポート・センターが主催。
19日の午前、特に被害の大きかった日比谷線の小伝馬駅から築地駅までの約4キロを歩くとともに、八丁堀駅や築地駅などで献花する。被害者を中心に、その家族や医師、カウンセラー、看護士、ボランティアなど約100人が参加する予定。
被害者のなかには、いまだに地下鉄に乗車できない人や、被害現場に行くことのできない人も多いという。今回のウォーキングは、被害者自身から「10年の節目に何かしたい」という要望があり、企画されたという。
また、19日の13時から16時30分には、「地下鉄サリン事件から10年の集い実行委員会」が主催するシンポジウム「あれから10年~地下鉄サリン事件の被害者は今?」が千代田区で開催される。
会場は、日本記者クラブ(プレスセンターホール)10階。入場は無料。実行委員会では、関心のある方の参加を呼びかけている。
シンポジウムは2部構成。1部では、米国の同時多発テロ事件の被害者の報告、2部では、必要な国の支援制度などをテーマに木村晋介弁護士の進行によるパネルディスカッションが行われる。パネリストの石松伸一(聖路加国際病院救急救命センター長)氏からは、午前中のウォーキングの報告なども行われる予定。
シンポジウムの問い合わせは、未来市民法律事務所(TEL 042-724-5321)まで。