行政 : 内閣府、認定制度の調査開始
内閣府国民生活局市民活動促進課では、認定NPO法人制度が現在は広く活用されていない実態から、制度の課題を探るため「認定NPO法人制度に関するアンケート調査」を実施することとし、6月26日、無作為抽出の全国3千のNPO法人に向けて調査票を送付した。
2001年10月から、NPO法人のなかで国税庁長官の認定を受けた「認定NPO法人」に対して行った寄附について、寄附者がその一定額を確定申告時に控除できる仕組み、すなわち「認定NPO法人制度」が施行されている。いわゆる寄附を促進する税制である。
加えて、認定NPO法人になれば、法人が納めるべき法人税も一定軽減される。
しかしながら、4年近く経過した現在でも、この認定NPO法人の数は34法人。約2万2千を数えるまでになったNPO法人の0.15%と、ほとんど利用されない制度になっている。
その要因は、厳しすぎる認定要件にあると見られている。過去3回、最近では今年4月1日にも、一定程度の要件緩和が行われたが、その効果はほとんど現れていない。
今月17日に政府税制調査会(石弘光会長)が発表した「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」には、こうした状況をあらためるべきであるとして、次の文言が書き込まれた。
「認定NPO法人の認定基準のあり方について、『パブリック・サポート・テスト(PST)』は、最近のNPO法人の活動実態にそぐわなくなっているのではないかとも考えられ、NPO法人の実態に即したものとなるよう更に検討を進める必要がある。」
こうした状況を受け、NPO法人を所管する内閣府では、NPO法人の実態を調査し、制度の問題点を把握したいとして、6月26日、全国のNPO法人のなかから無作為抽出した3千の法人に対し、アンケート票(調査票)を送付した。
アンケートは22の質問項目からなり、法人の収入の内訳、寄附者人数や金額、行政庁からの補助金や委託に関する考え方やその実態、役員やスタッフの人数、また公益性判断を行うにあたって望ましい思われる機関などについての設問が並んでいる。
回答締切りは、7月14日(木)で、FAXや電子メールでの回答も受け付ける。回答用紙の電子ファイルが必要な場合には、連絡すればMS-WORD形式のファイルを送付してもらえる。
内閣府では、「認定NPO法人制度を多くのNPO法人にとって利用しやすい仕組みとなるよう検討を進めていきたい。そのためにも、この調査を通じて、より多くのNPO法人の実態や意向を確認する必要があり、NPO法人の方にはぜひ調査にご協力いただきたい。」と呼びかけている。