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2005年09月20日 10:00

行政 : 環境省、CSR研究会報告書

 環境省は、8月11日、「企業の社会的責任」(CSR)の観点からの企業の環境問題への取り組みに関する報告書を発表。報告書では、今後の方向性として、CSR推進には、企業、NPO、消費者団体など各主体間の連携が重要だとしている。

 

 近年、「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:CSR)」について企業や市民の関心が高まっている。

 環境省は、CSRの視点から環境保全への取り組みはいかにあるべきかを検討することとして、昨年9月に「社会的責任(持続可能な環境と経済)に関する研究会」を設置。研究会には、企業、監査法人のCSR担当者などに加えて、NPOからは、黒田かをり氏(CSOネットワーク)、五所亜紀子氏(NPO法人環境経営学会)、坂口和隆氏(NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会)らが参加して先進事例の報告と議論が重ねられた。

 8月11日、「社会的責任(持続可能な環境と経済)に関する研究会」は報告書をとりまてめて発表した。

 報告書では、CSRを「企業が各主体に及ぼす影響を把握し、これを考慮に入れて行動することであり、企業と影響を受ける各主体との間のコミュニケーションに重点をおかれる」ことと整理。そのためは、企業、政府、市民といった各主体間に、対等性、自主性、公開性を重んじた関係性の構築が求められるとしている。

 また、報告書には、今後のCSRのあり方が示された。具体的には、アジア地域における日本企業のCSRへの取り組みが紹介され、日本がアジアでCSR推進の核となることが重要だと提言。さらに、中小企業のCSRを推進すること、企業が社会貢献事業を本業と絡めて戦略化していくこと、CSRに取り組む企業が評価される仕組みの構築などが必要だとしている。

 さらに、消費者、地域住民、社員など、CSRにおけるマルチステークホルダーのつなぎ役としてNPOの果たす役割が大きいことから、NPO同士のネットワークの推進、こうした役割を担うNPO自体の育成策も重要な課題だとしている。

 環境省では、研究会での意見を受けて、今後、「各主体間のコミュニケーションの促進」のために、環境報告書を読む会やCSRをテーマにした企業・NPO間の意見交換会の開催、企業のCSRに基づく取り組みを掘り起こして顕彰・広報を図ること、企業の社会貢献事業データベースなど、企業の取り組みを発信することなどを行っていくとしている。

 「社会的責任(持続可能な環境と経済)に関する研究会報告書」は、環境省サイト内、下記で読むことができる。

 http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6253

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