行政 : 地方六団体「NPOは行政の下請に非ず」
5月11日、地方六団体が設置している新地方分権構想検討委員会は、「分権型社会のビジョン(中間報告)」を発表。報告書内では、「NPOを行政サービスの下請け機関とみなしてはならない。公共サービスを設計する上での重要な主体として、対等な存在として位置づける必要がある。」としている。
地方六団体とは、全国町村議会議長会のほか、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会の総称。
地方六団体は、地方公共団体の長又は議会の議長の全国的連合組織であり、その目的は相互間の連絡を緊密にし、共通の問題についての協議及び処理を行うことにある。
法的には地方自治法第263条の3によって、地方自治に影響を及ぼす法律又は政令などに関し、総務大臣を経由して内閣に対し意見を申し出、又は国会に意見書を提出することができるとされている。
5月11日、地方六団体が設置している新地方分権構想検討委員会(委員長・神野直彦東京大学大学院教授)は、「分権型社会のビジョン(中間報告)」をまとめ、神野委員長から地方六団体の代表に提出された。
この「中間報告」では、「分権改革の5つの視点」の章の第1項「暮らしの安全・安心をつくる」の中で、「少子高齢化が進み、人口減少社会がやってきた今、住民、地域の非営利団体(NPO)、企業との広範な協働による高齢者向けの保健・医療・福祉サービスの充実をはじめ、これまで以上に地域社会における互助の精神を大切にして地域の育んできた歴史・文化・生活を維持し、発展させていくことが重要となっている。」とNPOの重要性が記載されている。
また、「5つの視点」第4項「住民に近いところへ力を集める」では、「特に、NPOの活動は、サービスを提供するだけの機能から、政治への参加・監視へと向かう進化も始まっている。その活動範囲も、市町村や都道府県という行政区画や国民国家を区切ってきた国境をも超えようとしている。そうしたNPOを行政サービスの下請け機関とみなしてはならない。公共サービスを設計する上での重要な主体として、対等な存在として位置づける必要がある。」としている。
具体的な提言としては、
- 地方行財政会議の設置、
- 地方税の充実強化、
- 地方交付税を地方共有税に、
- 国庫補助負担金総件数の半減、
- 国と地方の関係の総点検に財政再建、
- 財政再建団体基準の明確化ほか、
- 「新地方分権推進法」の制定
など7つの提言がもりこまれている。
「分権型社会のビジョン(中間報告)」の全文と概要は、全国町村会サイト内、下記に掲載されている。
http://www.zck.or.jp/activities/180511/