行政 : NPO理事の仕事は「やりがいがあり」
東京ボランティア・市民活動センターは、NPO法人やボランティアグループの現役理事40人にアンケート調査を実施。6月28日に公表された結果では、96.7%の理事が、理事をやってみて「やりがいがある」と回答した。
NPO法では、役員として、理事3人以上、監事1人以上を置くことになっている。
理事の役目は、NPO法人の代表機関として対外的に法人を代表し、対内的には定款や社員総会の決議に従って法人の事務を執行すること。
監事は、理事の業務執行の状況や法人の財産の状況を監査する役割を担う。なお、NPO法人は、役員総数の3分の1を超えて役員報酬を支払うことはできない。
また、法人化していないボランティアグループ等では、「理事」という名称ではなく、「運営委員」、「役員」、「世話人」といった名称で組織の意思決定を行う役職を表す場合もある。
最近、東京ボランティア・市民活動センターには、「友人から、NPOの理事になって欲しいと頼まれたが、その役割や立場はどういうものか」という問い合わせや、「団体を立ち上げたいが、理事のなり手が無くて困っている」という相談が数多く寄せられているという。
そこで、東京ボランティア・市民活動センターは、現役のNPO法人やボランティアグループなどの理事40人を対象に調査を実施し、その結果を同センターの発行する情報誌「ネットワーク」(2006年5・6月号)で公表した。
公表された結果では、「実際に理事をやって、どう感じますか?」の問いに対して、「とてもやりがいがある」と回答した人が66.7%。「まあまあやりがいがある」と回答した人の29.0%と合わせると、96.7%の理事が「やりがい」を感じていることが明らかになった。
また、関わっている仕事については、複数回答で、「事業の遂行・責任者」(52%)と最も多く、以下、「団体のミッション・目的の策定」、「広報」(ともに50%)、「ネットワークづくり」(44%)と続く。
しかしながら、その他の仕事、「会員集め」、「スタッフ研修」、「ニュースレター・WEBの編集・製作」、「助成金申請」、「発送作業」といった仕事についても、3割を超える理事が「関わっている」と答え、理事の多くが様々な役割を担っていることがわかった。
関わっている仕事への回答から、同センターは、理事には以下の3つのタイプがあると分析している。
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何でもやってます型
団体の目的の策定から発送作業まで、理事自らが携わっているタイプ。 -
仕事はハッキリ分担型
複数の事業を行っている団体の各事業実施責任者やチームリーダー、もしくは全国組織の地区代表が理事会を構成しているタイプ。 -
専門知識提供型
専門的な立場から知識や情報を提供したり判断する理事。たとえば、病児保育のNPOにおける、「医療関連担当理事」といった理事。
報告書では、理事を活かし、理事会をよりよく機能させるためには、理事に役割について団体内で明確化し、理事候補者には役割分担などをきちんと説明し、また、候補者自身からも、どんな仕事をしたいのか、何が得意なのかを聴き取ってから就任してもらうことが重要だとまとめている。
この調査の結果が掲載されている、「ネットワーク(2006年5・6月号)」については、東京ボランティア・市民活動センターのホームページを参照のこと。
http://www.tvac.or.jp/