行政 : 共済事業NPOは届出を忘れずに!
今年4月1日に施行された改正保険業法により、これまでの「無認可共済」にも保険業法が適応されるようになり、NPO法人が新たに「保険業」を行うことはできなくなった。ただし、4月1日時点で保険業を行っていた場合に限り、9月30日までに金融庁に届出を行い、平成20年3月末までに「少額短期保険業者」の登録することで、引き続き「保険業」を行うことが可能となる。
共済とは、一定の地域または職域でつながる者が団体を構成し、将来発生するおそれのある災害や不幸に対して共同の基金を形成し、これら災害や不幸の発生に際して一定の給付を行なう仕組み。
今年4月1日に改正保険業法が施行される前、共済には根拠法を有する共済のほかに、根拠法のない共済、いわゆる「無認可共済」があった。
根拠法を有する共済の代表的な例は、農業協同組合(JA:農業協同組合法)、全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済:消費生活協同組合法)。
これらは、保険業法の規制は受けないが、これに代わる法律による規制を受け、各々の主務官庁の監督を受けて事業を行なっている。
これに対し、NPO法人などが行ってきた根拠法のない共済とは、特定の者を対象としている限りは保険業に該当せず、免許を受けずに事業を行なっても保険業法違反にならないとされきた。
しかしながら、監督官庁や法律がない無認可共済については、販売方法や共済金支払いなどをめぐり、消費者センターなどに寄せられる苦情や相談が増加していた。
そこで、昨年、消費者保護の観点から、保険業法を改正し、無認可共済事業に保険業法の規定を適用することが決まった。改正保険業法では、一定の事業規模の範囲内で少額短期の保険のみの引受けを行う事業者については、登録制の「少額短期保険業」制度を創設。「少額短期保険業」になるためには、相互会社か株式会社でなくてはならないため、NPO法人が新たに「保険業」を行うことはできなくなった。
ただし、改正保険業法は、今年4月1日時点で無認可共済事業を行っている者を「特定保険業者」と定め、金融庁(財務局)に対して、今年9月30日までに届出を行い、平成20年3月31日までに必要な要件を満たして「少額短期保険業者」の登録を受けることにより、NPO法人格のままでも引き続き「保険業」を行うことが可能だとしている。
9月30日の「特定保険業者」としての届出期日が迫る中、内閣府は、「保険業」を行っているNPO法人が「保険業」を継続させるために必要な手続きについてホームページで告知している。
内閣府では、これらの届出、登録申請手続きは、当該NPO法人の主たる事務所所在地を管轄する財務局に対して行うことになるので、不明な点は最寄の財務局に積極的に相談して、期日内に手続きを行うようにと注意を呼びかけている。一般的な相談は、金融庁監督局保険課少額短期保険業係(代表:03-3506-6000)でも受け付けているとのこと。
内閣府の「保険業を行う特定非営利活動法人へのお知らせ」は、内閣府NPOホームページ内、下記を参照のこと。
http://www.npo-homepage.go.jp/law/20060901_hoken.html
なお、金融庁の「共済会・互助会などを運営されている方へ保険業法改正に伴う金融庁からのお知らせ」は、同庁サイト内、下記に掲載されている。
http://www.fsa.go.jp/news/18/hoken/20060831-2.html