行政 : 神奈川、NPOに患者家族の滞在用地を提供
11月10日、神奈川県は、県立こども医療センターの患者家族のための滞在施設を建設するため、同センターに近接する約1,800平方メートルの土地を、NPO法人スマイルオブキッズに無償貸与すると発表した。同NPO法人は、平成16年に県内のNPO2組織と共に滞在施設開設準備委員会を設立。建設資金の寄付集めを続けてきたが、その目処がついたため、県が建設用地の無償貸与を決定した。
神奈川県立こども医療センターは昭和45年開設。病床数は419。全国でも有数の規模を持つ小児の高度・専門医療機関として、難治性疾患や慢性疾患などの患者を、県内だけではなく全国各地から受け入れている。
子どもが遠隔地の専門病院での医療を必要とする病気になった時、入院・通院する本人だけでなく、その家族も病院近くに逗留することを余儀なくされる。
こうした家族にとって、経済的・精神的な負担は重く、安価にしかも安心して宿泊できる家族用の滞在施設が必要。NPO法人ファミリーハウスをはじめとして、このような滞在施設を運営するNPOが全国各地に設立されている。
神奈川県立こども医療センターについては、平成11年から、「よこはまファミリーハウス」が患者と付き添い家族のための滞在施設「せりがやハウス」を運営。しかしながら、「せりがやハウス」には客室が3部屋しかないため不足気味。
こうしたなか、平成16年に、県立こども医療センターの医療環境の充実に取り組む「NPO法人スマイルオブキッズ」は、「こども医療センターアメニティー基金運営会議」、「よこはまファミリーハウス」と連携して、「神奈川県立こども医療センター患者・家族滞在施設開設準備委員会」を設立。こども医療センターの敷地内もしくは近隣に新たに滞在施設を開設するための活動を開始した。
その後、同準備委員会は、神奈川県の「県として施設の土地提供は可能だが、建設資金を出すのは難しい」との意向を受けて、建設資金のための寄付集め行ってきた。
先月末、神奈川県に対して、県民から、滞在施設建設資金として大口の寄付の申し出があり、財源確保の目処がついた。
そこで県は、こども医療センターに近接する約1,800平方メートルの土地を、NPO法人スマイルオブキッズに無償貸与することを正式に決定。11月10日には、神奈川県庁において、松沢成文知事から同法人に対して、「無償貸与する」という内容の文書が手渡された。
新しい滞在施設は、来年度には着工される予定。
スマイルオブキッズのホームページは下記。
http://www.smileofkids.npo-jp.net/
「患者家族滞在施設のための建設用地提供」の詳細は、神奈川県庁サイト内、下記を参照のこと。
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0611/22025/