行政 : 自治体ネット、補助金制度の調査報告
平成18年11月9日に滋賀県大津市で開催されたNPO活動推進自治体フォーラム滋賀大会分科会の中で、各自治体の補助金制度調査結果の報告がなされた。この調査を実施したのは、NPO活動推進自治体ネットワーク財政支援研究会。NPOへの支援の一つである補助金などの財政支援について、効果的な支援方法と課題を把握するために各自治体の補助金制度調査を実施したものである。
各自治体で実施している様々なNPOへの支援の中で、NPO活動推進自治体ネットワーク財政支援研究会は、補助金等による財政支援について調査を行い、この結果が報告された。
報告によると、今回は「補助金」に焦点を当てNPO担当課が平成17年度に実施している公募型補助金制度(協働事業は含まない)について6月から7月に調査を実施。調査対象は、6月26日現在、自治体ネットワークに参加している216自治体。調査項目は、補助金制度の名称、対象団体、補助率、上限額など16項目あり、回答から補助金の性質、経費内訳、財源・補助率、審査方法、評価の有無について分析した。
回答率は41.7%、道府県の回答率は、83.8%であった。うち公募型補助金制度について51自治体63事業あった。
調査結果は、補助金の性質で次のように3つに分類。組織が継続して活動を実施し体制を整えるために必要な経費として「団体運営費」、事業に要する経費として「事業費」、「両者を含む経費」。「事業費」は、全体の77.8%と圧倒的に多い結果になった。「団体運営費」は、12.7%、「両者を含む経費」は、9.5%であった。
また、事業を実施するための直接必要経費と団体の経常活動経費に分類したところ、直接必要経費には、謝金・賃金、旅費交通費、需用費、通信運搬費、使用料、賃借料がほぼすべての事業費に含まれていたが、管理運営費は補助の対象になりにくい傾向があった。備品購入費については、制約があるものや当初から認められていない事業が多い。各経費の内訳は費目の限定や金額の制約などがあり、補助金を使う側の自由度が低いことがわかった。
補助金を一般財源と基金・公益信託に分類し補助率と上限額で集計すると、一般財源の補助率は、2分の1補助が43.9%と最も多く、次に10分の10補助が33.3%となっている。上限額については、10万円以下が29.8%、次に31万から50万円が22.8%との結果から、一般財源は、低額助成が多い傾向であることがわかった。
一方、基金・公益信託の補助率は、10分の10補助が45.5%と最も多く、次いで4分の3から10分の9補助が27.3%となり、上限額は100万円以上が29.5%、次いで10万円以下22.7%となっている。10万円以下は、8割が10分の10補助となっており、基金・公益信託は、一般財源と比較すると上限額が高く、補助率が高い傾向がわかる。
次に審査方法について、交付対象団体の選定にあたっては、外部審査を行っている事業が79.3%、うち公開プレゼンテーションを行っている事業が34.9%であり、審査の透明性、公平性に努めていることがうかがえる。一方、書類審査のみで審査している事業では、上限額の低いものや人材育成への助成が多い。
最後に評価について、「評価あり」が、47.6%、「評価なし」が52.4%であった。評価のあるものは、報告会や成果発表会等で実施する事業が73.3%、団体が自己評価をする事業が6.7%であった。
この調査の分類に関しては、NPO活動推進自治体ネットワーク財政支援研究会で行ったとのこと。
調査結果詳細については下記ページ「発表事項」を参照のこと。
http://www.mienpo.net/jichitainet/
また、NPO活動推進自治体ネットワークでは自治体会員を募集している。詳細は、上記「NPO活動推進自治体ネットワーク事務局」ホームページ「お問い合わせ」を参照のこと。