行政 : 東京シューレ葛飾中学校が開校へ
4月1日、不登校の子どもたちを対象とした私立中学「東京シューレ葛飾中学校」が、東京葛飾区に開校する。同中学校を運営するのは、不登校児童・生徒の支援活動に取り組む、NPO法人「東京シューレ」を母体とする学校法人「東京シューレ学園」。葛飾区が構造改革特区の認定を受けて、学習指導要領の緩和や廃校になって空いている区立中学の校舎・校庭の借り受けなどを可能にしたことで実現した。
葛飾区は、構造改革特区計画として、「地域連携・のびのび型学校による未来人材育成特区」を申請し、平成18年7月に内閣総理大臣の認定を受けた。
この特区認定は、学校の設置についての規制緩和に関するもので、廃校となった葛飾区立旧松南小学校の一部を、不登校生徒対象の中学校を設立する学校法人に貸し付け、不登校に悩む子どもたちの教育機会や進路選択の充実・拡大を図るもの。学習指導要領の緩和なども盛り込まれていた。
特区の認定を受けてから、葛飾区は、旧松南小学校校舎の改修などを行い、学校の開設準備を支援。東京都は、平成18年11月14日付けで中学校を運営する学校法人「東京シューレ学園」の設立と私立中学校である「東京シューレ葛飾中学校」の設置を認可した。
この学校法人「東京シューレ学園」の母体は、NPO法人東京シューレ。
NPO法人東京シューレは、いじめにあっている、学校になじめない、友人との関係をうまく築けないなどの理由から学校に行かなくなる、いわゆる「不登校」の子どもたちを受け入れて、教育、生活の面で支援している。1985年に設立され、2000年にNPO法人化。これまでに1,000人以上のOB・OGを輩出している。現在は、都内に王子、大田、新宿の3か所、千葉県の流山に1か所の合計4ヶ所に、6歳~20歳までの200名以上の子供たちが通っている。
4月1日、「東京シューレ葛飾中学校」が開校する。
開校初年度の平成19年度は、1・2年生各30人、3年生20人の計80人の入学が予定されている。
入学選考は、普通の入試とは異なり、「不登校であること」が条件。新1年生は今月卒業する小学校から、新2・3年生は今在籍している中学校から、「年間30日以上欠席している証明」を出してもらい、その上で面談などを行ったとのこと。
今後、不登校児童・生徒の支援に実績があるNPO法人東京シューレでは、これまでの活動経験を活かして、弾力的な授業時間数や体験的な学習内容、きめ細やかな学習支援などを行い、公教育としての中学校の場で、学力の保障と社会性の育成、進路選択の支援を行いたいとしている。
東京シューレ葛飾中学校のホームページは下記。
http://www.shure-chugaku.info/
東京シューレのホームページは下記。
http://www.shure.or.jp/