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2007年06月05日 10:00

行政 : 新潟県、NPOとの協働を行政監査

 新潟県監査委員は、県とNPO法人の協働について、「平成18年度 行政監査結果報告書(NPOとの協働)」をとりまとめ、4月6日に公表した。報告書では、県職員への協働意に対する識の醸成、NPOとの事前協議、効率的・効果的な協働形態の選択、事後評価などに努める必要がある、としている。

 

 新潟県の監査委員(4人)は、国における会計検査院や民間の株式会社の監査役に当たる役割を担い、具体的には、財務に関する事務が正しく行われているかどうか、県が行っている様々な事務・事業が効率的、経済的に運営されているかどうか、また、県が財政的援助を行っている団体などの事業について、補助金等が適正に使用されているかどうかなどを知事から独立した立場で監査している。

 4月6日に公表された「平成18年度 行政監査結果報告書(NPOとの協働)」は財務以外の県事業を調べる「行政監査」の一環。

 同県が県政運営の基本計画として平成18年7月に策定した『新潟県「夢おこし」政策プラン』において、「NPO・ボランティア活動への参加と協働の推進」が掲げられていることから、県とNPOとの協働事業が適切に推進されているか、NPOが活動しやすい環境は整備されているかなどについて監査したのも。

 監査実施期間は、今年の1月から3月。

 監査の対象事業は、平成17年度における県とNPOとの協働事業として公表されている61事業(本庁44事業、地域機関17事業)。

 対象機関は、上述の事業の実施機関(本庁26、地域機関11)。

 なお、監査対象とした事業の協働先は、市民活動団体など、「不特定多数の者の利益のために、主体的な活動を非営利で行う団体(宗教活動や政治活動を主目的としない)」とし、NPO法人格の有無は問わないものとしている。

 監査の方法は、監査対象機関から提出された監査資料に基づき、事務局職員が事前調査を行い、その結果を踏まえて委員監査を実施した。

 また、関連調査として、県内47のNPO法人に対して、県との協働に関する意識調査も実施した。

 報告書によれば、監査における着眼点は下記。

  1. NPOとの協働事業の推進
    • 協働事業の推進が積極的に検討されているか。
    • 適切な相手方と効率的で効果的な協働形態になっているか。
    • 協働事業の目的、役割分担、責任の所在等は明確になっているか。
    • 協働事業の評価、反映を十分行っているか。
  2. NPOの活動環境の整備
    • 広報や啓発が効果的に行われているか。
    • 多様な機会の提供による人材育成に努めているか。
    • 活動環境の整備のための効果的な支援措置が講じられているか。
    • 必要とされる支援の把握に努めているか。
    • 庁内外の推進体制は整備されているか。

 報告書に記載されたNPOに対するアンケート調査の主な結果は以下の通り。

  1. 協働事業の成果の評価について、約8割の団体が「高い成果が得られた」、「一定の成果が得られた」と答えている。

  2. 協働先のNPO法人のほとんど(94%)が、今後も県と「ぜひ協働したい」あるいは「できれば協働したい」と答えており、1)の結果とあわせて、NPO側には協働事業について高く評価されていることが認められた。

  3. 県と対等関係で事業ができたかという設問には、「県が主導的」「県がやや主導的」が5割、「対等だった」が4割、「NPOが主導的」が1割。

  4. NPO活動推進に向けた県の支援措置については、7割以上のNPOが「高く評価」と「概ね評価」と評価している。

  5. 自由回答の部分では、「NPOとの協働に対する県の認識が希薄である」「NPOの提案が反映されにくい」との指摘が多かった。

 監査結果と、アンケート調査結果を受けて、報告書では、「NPOとの協働事業の推進」に向けて、

  1. 協働に対する意識の醸成、
  2. 協働の実施に向けた具体的な検討、
  3. 事前協議の実施、
  4. 効率的で効果的な協働形態の選択、
  5. 協働の評価の実施、
  6. 協働上の配慮、
  7. 協働先の積極的な情報収集、

が重要だと提言。

 また、「NPOの活動環境の整備」としては、

  1. 中間支援組織の整備、
  2. 財政的支援の充実、
  3. 市町村との連携、

をポイントとしてあげている。

 なかでも、「2.財政的支援の充実」においては、公益信託にいがたNPOサポートファンドへの民間からの寄付が低調であることから、「募金活動を通じてNPOへの理解を広げるためにも、民間からの寄附を積極的に促進するべきである。」と提言。また、財政基盤の弱いNPO法人にとって、納税の負担感が大きいことから、「NPO法人支援税制については、県税のみならず、市町村税の課税免除の状況も把握し、市町村との連携を図りながら、県全体として取り組んでいく必要がある。」としている。

 報告書は、そのまとめとして、「NPOが有する特性を活かした協働をより一層推進し、活力にあふれた魅力ある地域社会が実現されることを期待する。」と述べている。

 「平成18年度 行政監査結果報告書(NPOとの協働)」は、新潟県サイト内に掲載されている。

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