行政 : エコツーリズム推進法が成立
6月20日、自然を楽しむエコツアーと環境保護の両立を図るエコツーリズム推進法が参院本会議で可決、成立した。市町村が事業者、住民、NPO法人等とエコツーリズム推進協議会を組織して全体構想を作成。この全体構想に基づいて該当地域の自然観光資源が保護され、ごみ投棄などの迷惑行為は罰せられる。来年4月1日に施行される。
エコツーリズム推進法は、超党派の議員立法として、衆院環境委員会が今国会に提案していた。
この法律における「エコツーリズム」とは、観光旅行者が、自然観光資源について知識を有する者から案内、または助言を受け、当該自然観光資源の保護に配慮しつつ自然観光資源と触れ合い、これに関する知識及び理解を深めるための活動をいう。
6月20日に参院本会議で可決成立したエコツーリズム推進法では、エコツーリズムを推進しようとする地域で、市町村が中心となって観光業者や土地所有者、NPO法人などと協議会を設置。ツアーの実施方法や自然保護策などについて全体構想をして国に認定申請する。
認定を受けると、既に自然公園法などで保護されている対象以外でも、特に保護が必要と位置付けられた動植物やその生息地、民俗的価値がある景観などの自然観光資源について環境破壊が懸念される場合、立ち入りを制限できると規定。また、ごみ投棄や悪臭、騒音などの不快・迷惑行為に対する罰則(30万円以下の罰金)も盛り込まれた。
20日に成立したエコツーリズム推進法案でNPO法人の果たす役割などが書かれた部分は下記。
第三条
3 エコツーリズムは、特定事業者、地域住民、特定非営利活動法人等、自然観光資源又は観光に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が連携し、地域社会及び地域経済の健全な発展に寄与することを旨として、適切に実施されなければならない。第五条
市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、当該市町村の区域のうちエコツーリズムを推進しようとする地域ごとに、次項に規定する事務を行うため、当該市町村のほか、特定事業者、地域住民、特定非営利活動法人等、自然観光資源又は観光に関し専門的知識を有する者、土地の所有者等その他のエコツーリズムに関連する活動に参加する者(以下「特定事業者等」という。)並びに関係行政機関及び関係地方公共団体からなるエコツーリズム推進協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。