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2007年07月06日 10:00

行政 : 政府が、「21世紀環境立国戦略」

 6月1日、政府は環境政策の方向を明示した、「21世紀環境立国戦略」を閣議決定した。環境政策の実施には幅広い主体の参加が必要だとされ、NPOの実行力やネットワークへの期待も盛り込まれた。

 

 1月26日の安倍内閣総理大臣の施政方針演説において「国内外あげて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針として、『21世紀環境立国戦略』を6月までに策定する」との方針が打ち出された。

 これを受けて、同戦略に関して総合的な検討を行うため、鈴木基之中央環境審議会会長を部会長とする「21世紀環境立国戦略特別部会」が、中央環境審議会に設置された。

 この特別部会では、5月までに10回の審議を行い、5月29日(火)に、中央環境審議会から環境大臣に「21世紀環境立国の策定に向けた提言」(意見具申)がなされた。

 政府は、この提言を、6月1日に「21世紀環境立国戦略」として閣議決定した。

 「21世紀環境立国戦略」では、地球規模で環境問題が深刻化している状況に対応し、その解決を図るため、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会づくりの取組を統合的に進めていくことにより、持続可能な社会を目指す必要があると現状を分析。

 「環境立国・日本」にふさわしい取組として、自然共生の智慧や伝統、環境・エネルギー技術、公害克服の経験といった我が国の強みを活かして、持続可能な社会の「日本モデル」を構築し、アジア、そして世界の発展と繁栄に貢献するために発信すべきとしている。

 具体的には、今後1、2年で重点的に着手すべき8つの戦略を提示。

・戦略(1):気候変動問題の克服に向けた国際的リーダーシップ
・戦略(2):生物多様性の保全による自然の恵みの享受と継承
・戦略(3):3Rを通じた持続可能な資源循環
・戦略(4):公害克服の経験と智慧を活かした国際協力
・戦略(5):環境・エネルギー技術を中核とした経済成長
・戦略(6):自然の恵みを活かした活力溢れる地域づくり
・戦略(7):環境を感じ、考え、行動する人づくり
・戦略(8):環境立国を支える仕組みづくり

 このうち、「戦略(6)自然の恵みを活かした活力溢れる地域づくり」において、環境に配慮した農林水産業を核とした故郷づくりを目指すために、「NPO等と地域のネットワークを構築し、都市住民や子供たちによる里地里山の手入れや、農林水産業の現場における自然体験・生産体験などを積極的に推進する。」ことが推奨されている。

 また、同じく「戦略(6)」では、美しい森林づくりのためには、「企業やNPO、都市住民等幅広い主体によるボランタリーな森林づくりを推進するとともに、森林を活用した環境教育等を通じた国民の森林に対する理解の醸成を図る。」ことが必要だとされている。

 さらに、「戦略(7)環境を感じ、考え、行動する人づくり」では、環境保全に向けた国民運動の全国展開と世界への発信のためには、「地球環境パートナーシッププラザの運営等を通じ、環境政策の立案や実施に当たって、幅広い関係者の参加と合意を図るとともに、NPOの実施能力やネットワーク力等を活かす手法の検討を進める。」ことが求められている。

 環境省は、今後、関係府省、産業界、国民、NPO等各界各層と連携を図りつつ、21世紀環境立国戦略に定められた施策の具体化を図っていきたいとしている。

 「21世紀環境立国戦略」の詳細は、環境省サイト内、下記を参照のこと。
 http://www.env.go.jp/guide/info/21c_ens/

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