行政 : 福井県調査、5割が「ふるさと納税は必要」
7月12日、熊本市で開催されている全国知事会議で、福井県の西川一誠知事は、同県が東京、大阪、名古屋、福井で実施した「ふるさと納税」構想についてのアンケート結果を公表。回答者の46.6%が、この納税制度について「ぜひ必要」「どちらかというと必要」と答えている。
「ふるさと納税」構想とは、現在は住民票のあるところへ納めることになっている住民税の一部を、自分の故郷など、別の自治体へ納めるシステムを作ろうというもの。
今年5月に、菅義偉総務相が、「故郷に恩返ししたい人のために」と、ふるさと納税制度の仕組みを有識者に検討させる考えを表明。
6月1日には、総務省に、「ふるさと納税研究会」(座長:島田晴雄千葉商科大学学長)も設置され検討を開始しており、関心が高まっている。
この納税構想に対しては、「都市と地方の税収格差を解消するだけでなく、税金を納める国民の納税者意識を高める効果がある」とする賛成意見と、「住民税は本来、地域住民のためのサービスを行うための税金であり、そのサービスを受けない人が納税をするのは認められるのか」といった慎重論にわかれている。
7月12日、福井県の西川一誠知事は、熊本市で開催されている全国知事会議の席で、同県が実施した「ふるさと納税」についてのアンケート結果を公表した。
このアンケートは対面記入式で、7月6日から8日にかけて、東京、大阪、名古屋、福井の各地域において、それぞれ350人ずつ、出身地などは考慮せずに実施された。
総回答者1400人のうち、46.6%が、ふるさと納税制度について、「ぜひ必要」、「どちらかというと必要」と答えたとのこと。つづいて「どちらでもない」と答えた人が27.4%。「あまり必要ない」、「全く必要ない」と答えたのは26.0%だった。
地域別に見ると、いずれの地域でも「必要」が「必要ない」を上回っているが、もっとも「必要」と答えた人が多かったのは福井(60.0%)、つづいて名古屋(45.4%)、大阪(44.9%)、東京(36.3%)。
また、アンケート結果によると、「故郷寄付金控除があれば寄付したいか」という項目に対しては、全体の48.4%が、「寄付したい」と回答。
「寄付額は、税金の何割ぐらいが適当か」に対しては、最も多い回答が「1割」の39.8%、次いで「2割」が30.5%だった。
福井県によれば、西川知事は、このアンケート結果をもとに、全国知事会議の席上、「ふるさと納税は税源偏在の是正だけでなく、寄付文化をわが国に根付かせるきっかけになる」と、実現に期待する前向きな発言をしたとのこと。