その他 : NPOで農山漁村の活性化、九州農業白書
8月14日、農林水産省九州農政局は、平成18年度の「九州食料・農業・農村情勢報告」(九州農業白書)を発表した。白書では、農山漁村の活性化に取り組むNPO法人のさまざまな実践例が紹介されている。
「九州食料・農業・農村情勢報告」は、農林水産省の九州農政局管内における食料・農業・農村をめぐる情勢についてとりまとめた九州版の農業白書。
8月14日に発表された、平成18年度版「九州食料・農業・農村情勢報告」(以下、九州農業白書)では、「九州の温暖な農山漁村でのスローライフの実践」と題する特集が組まれている。
この特集では、平成19年からの大量退職が見込まれる団塊の世代にとって、農山漁村は、第二の人生をスローライフで豊かに過ごす上で魅力的な場として注目されていると分析。温暖な九州の気候や地域文化を活かしたスローライフの振興によって農山漁村の活性化を図るNPO等による活動実践例を紹介している。
実践例としては、熊本県天草市内の遊休農地を活用し、都市住民向けの体験ツアーや定住に向けた支援等を実施している「NPO法人グリーンライフあまくさ」や、農漁業の体験プログラムなどを提供することで年間1万人の修学旅行生が訪れるようになった長崎県の「NPO法人体験観光ネットワーク松浦党」が取り上げられている。
また、全会員で土地を共有し、農作業や農体験イベントを通して、農業の楽しさ、難しさ、収穫の喜びを分かち合う活動を実施している「NPO法人のこのこファーム」の活動も取り上げられている。
さらに、「空き家バンク」を立ち上げて、田舎暮らし希望者と空き地・空き家の所有者をつなぐ取組みを行っている「NPO法人循環型たてもの研究塾」も紹介されている。
加えて、この特集では、「九州農政局としての取組み」として、九州地方知事会と九州経済団体が官民一体となって「九州観光戦略委員会」を設立し、平成17年4月には、九州観光戦略を実践的かつ着実に推進するための機関として「九州観光推進機構」を発足したことをあげ、「同機構と連携した情報発信、農山漁村の交流に関わるNPO法人等の民間主導による九州一円のネットワーク化への支援していく。」とされている。
平成18年度の「九州食料・農業・農村情勢報告」は、九州農政局サイト内、下記に掲載されている。
http://www.kyushu.maff.go.jp/kikaku/kikaku.htm