その他 : 経団連、「善意を引き出す」税制を要望
9月18日、(社)日本経済団体連合会は、「今後のわが国税制のあり方と平成20年度税制改正に関する提言」を発表した。提言には、「民間が支える公益活動を支援する税制の整備や、個人や企業の善意を引出し、積極的に公を支える精神を発揮するための税制措置の構築」を求めて、寄附金税制の拡充も盛り込まれている。
(社)日本経済団体連合会(以下、経団連)によれば、「今後のわが国税制のあり方と平成20年度税制改正に関する提言」では、2007年初に経団連が10年後のビジョンとして公表した、「希望の国、日本」にもとづいて作成されているとのこと。提言書は、「希望の国」の実現に向けて中長期的に達成すべき「今後の税制のあり方」と、「平成20年度税制改正に関する提言」の2部構成。
「今後の税制のあり方」では、小さく効率的な政府を目指していくためには、民間に移管が可能な公的機能は可能な限り民間へ移管していく必要があると分析。
政府は、民による公益活動をわが国社会・経済システムの中で積極的に位置づけるためにも、「民間が支える公益活動を支援する税制の整備や、個人や企業の善意を引出し、積極的に公を支える精神を発揮するための税制措置の構築が急がれる。」としている。
さらに、、「平成20年度税制改正に関する提言」のなかでは、平成20年中に施行される公益法人制度改革に伴う税制上の措置について、以下の2点を求めている。
1.公益認定等委員会において公益社団法人、公益財団法人と認定された法人については、明らかに公益を担う法人であり、非課税とする。
2.一般社団法人、一般財団法人については、現行の公益法人税制に準ずる扱いとする。
さらに、寄附金税制については、以下の拡充を求めている。
1.公益社団法人、公益財団法人への寄附金は、特定公益増進法人に対する寄附金と同様の取扱いとするべきである。
2.国や地方自治体、大学などに対する寄附金については、一定の限度まで税額控除を認める。
3.現在10万円となっている個人住民税の寄附金控除適用下限額については、国税と同様5000円まで引下げる。
「今後のわが国税制のあり方と平成20年度税制改正に関する提言」は、経団連サイト内、下記に掲載されている。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/072/honbun.html