その他 : ライフリンク、自治体の自殺対策を調査
NPO法人自殺対策支援センターライフリンクは、「全国の都道府県及び政令指定都市の自殺対策の取り組み状況」に関する実態調査を行い、その結果を10月1日に公表した。
NPO法人自殺対策支援センターライフリンク(以下、ライフリンク)は、「生き心地の良い社会」の実現をめざして、自殺総合対策・自死遺族ケアの推進、自殺予防・防止のための啓発活動に取り組んでいる。
ライフリンクが10月1日に発表した「全国の都道府県及び政令指定都市の自殺対策の取り組み状況」に関する実態調査は、地域における自殺対策が実務的なものとなっているかどうかを評価したもの。
ライフリンクによれば、今年6月に『自殺総合対策大綱』が発表されたことで、自治体が担うべき「地域の自殺対策」が具体化されてきたが、自治体によって、その推進体制、内容が大きく異なっているとのこと。
この調査は、それぞれの自治体の自殺対策実施状況を明らかにすることで、「地域の自殺対策」の課題を浮き彫りにし、あわせて先進的な活動事例を掘り起こし、自殺対策の全国的な底上げを図ること目的に実施された。
調査は、今年の8月28日から9月13日にかけて、47都道府県および17政令指定都市に対して、自殺対策の実施状況をアンケートを送付。64すべての自治体担当者から回答を得た。ライフリンクでは、それらの回答を、ライフリンクが定めた「評価基準」にしたがって50点満点で評価。得点数に応じて、AからEの5段階評価を行った。
公表された評価結果では、もっとも自殺対策が進んでいる「A」と評価されたのは、秋田県、岩手県、青森県、佐賀県、長崎県の5県。
逆に最下位の「E」は、神戸市、奈良県、和歌山県、北九州市、新潟市、千葉市、浜松市、山梨県。
ライフリンクの分析では、地方の自治体において、民間団体の活動が活発な地域ほど、自殺対策がより進んでいる傾向にあるということ、政令指定都市や東京都などの都市部の方が、地方よりも自殺対策が立ち遅れているとのこと。
なお、山梨県では、この調査の結果を踏まえて、県議会で横内正明県知事が、10月4日の県議会で、今年度から住民基本健診会場で鬱病の疑いがある人に医師を紹介する試みを始めるなどして、自殺予防対策を強化する考えを表明している。
「全国の都道府県及び政令指定都市の自殺対策の取り組み状況」の調査結果は、ライフリンクのサイト内、下記を参照のこと。
http://www.lifelink.or.jp/hp/jichitai.html