その他 : 民主党、寄付税制を税額控除が可能に
12月26日、民主党税制改正大綱が決定された。大綱には認定NPO法人制度の要件緩和が盛り込まれた。また、寄付税制に関して、所得税額の5%を上限に税額控除できる制度を創設し、「総所得の40%」を上限とする所得控除制度との選択制とすることが提案されている。
12月26日、民主党税制改正大綱が決定された。
大綱では、「市民が公益を担う社会の実現」に向けて、所得税の寄付優遇税制に、所得税額の5%を上限にした「税額控除」を創設し、所得控除との選択制にすることが盛り込まれた。
加えて、認定NPO法人制度において、パブリック・サポート・テストなどの認定要件を大幅緩和、事務手続きの簡素化、みなし寄付の損金算入限度額を引き上げも盛り込まれている。
また、平成20年12月に施行される新たな公益法人制度については、「公益の認定基準に省庁OBの在籍や国との契約状況などを加えるなど税制面から制度改革の趣旨を担保した上で、NPOと整合的な優遇税制を適用する。」とされている。
「ふるさと納税」に関しては、「ふるさと納税は住民税の間での所得再配分であり、住民税の会費性や受益と負担の関係を明確にした住民税率のフラット化に反する」として、「個々人のふるさとへの想いは所得税による寄付税制の拡充で実現すべきものである。」としている。
来年度の税制改正に関しては、12月13日に与党税制改正大綱が決定されている。この与党税制改正大綱では、認定NPO法人制度については、認定の有効期間を5年(現行2年)に延長し、パブリック・サポート・テストの実績判定期間も5年の合算で5分の1以上とするなど、大きな改善が盛り込まれている。
来年1月から始まる通常国会で、来年度の税制改正に向けて、与野党の攻防が本格化する。
予算関連法案は、焦点の一つとなっており、認定NPO法人制度の拡充では与野党とも一致しているが、他の税制の扱いをどうするかが、認定制度の改正施行にも影響を与えそうだ。
民主党税制改正大綱の認定NPO法人制度にかかる部分は、以下のとおり。
民主党税制改革大綱
―納税者の立場に立ち「公平・透明・納得」の税制を築く―
民主党税制調査会
III 平成20年度税制改正への対応
3.市民が公益を担う社会の実現
不祥事を繰り返す官が社会経済の変化に対応できないことは明らかである。今後の社会は、官に過度に依存することなく、一人ひとりが公益を担うことの重要性に鑑み、これを税制で大胆に支援する。
1.寄付税制の拡充
・所得税の寄付優遇税制に「税額控除」を創設する。主として公益を担う一定範囲の団体(事業を含む)等から、納税者が選択した対象に寄付を行った場合、所得税額の5%を上限に税額控除できる制度を創設し、「総所得の40%」を上限とする所得控除制度との選択制とする。
2.NPO支援税制
・NPO税制については、パブリック・サポート・テストなどの認定要件を大幅に緩和すると共に事務手続きの簡素化を進める。
・認定NPOにおけるみなし寄付の損金算入限度額の引き上げ、NPOに対する寄付の税額控除制度創設などを行う。