その他 : 昨年の米国寄付総額は2%ダウン
米国の「ギビングUSA財団(Giving USA Foundation)」は6月11日、2008年の米国における寄附に関する年次報告書を発表した。2008年中の寄付総額は、3076億5千万ドル(1ドル=96円の場合、約29兆5344億円)で、2007年度の寄付額を2パーセント下回った。
2007年の寄付額は、3140億7千万ドル(1ドル=96円の場合、約30兆1507億円)だった。2008年中の米国の寄付金総額は、金額では2パーセントの減少、インフレ調整後は、5.7パーセントの減少となる。
これは、1987年以降初めての減少、1956年にギビングUSA財団が年次報告書を発行し始めて以来2度目の減少である。
ギビングUSA財団のデル・マーティン会長は、プレスリリースの中で、「2008年の寄付総額の減少は経済不況を受けたものとみられるが、その状況下にあっても個人、企業、財団が3076億に支援をしている。寄付額の減少の中で非営利団体はより多くの働きを求められたが、この額はもっと悪かったかも知れない。」と述べている。
そして、ギビングUSA財団を築いたギビング・インスティテュートのナンシー・ライビン会長は、2008年の寄付額がGDP(国内総生産)の2.2パーセントにとどまり、2007年の2.3パーセントと比べてわずかな減少だったことについて、「悲観的な状況の中で、明るい材料である。当協会は寄付額の向上のために調査などを続けているが、このデータはアメリカ国民が寄付は経済構造の不可欠な要素であると認識されていることを示している」と述べている。
ギビングUSA財団(正式名称:フィランソロピーのための米国資金調達協会信託:American Association of Fundraising Counsel Trust for Philanthropy : AAFRC Trust for Philanthropy)は、毎年、インディアナ大学フィランソロピー・センター研究による米国の寄付に関する年次報告書「ギビングUSA(Giving USA)」を出版している。「ギビングUSA2009」は、 54回目の発行となる。
シーズの松原明事務局長は、「昨年後半の経済不況により、各種の経済指標が大きく落ち込んでいる中で、寄付額の落ち込みが前年比2パーセントの落ち込みで済んだことは驚きだ。米国の寄付文化の底堅さを物語っている。ただ、今年は、さらに経済状況が悪化しているので、その影響がどう出てくるのか、注目したい。ギビングUSAのようなしっかりした寄付データがあることがこのようなフィランソロピーの文化を理解する上で重要な資料となっている。日本でも、このような調査が継続的に行われることが求められる。」とコメントしている。
ギビングUSA財団(Giving USA Foundation)のホームページ(英語)は下記。オンラインで「ギビングUSA(Giving USA)」の注文も可能になっている。
http://www.givingusa.org/gusa/gusa_foundation.cfm
今回、発表されたプレスリリース(英語)は下記PDFファイルを参照。
http://www.givingusa.org/press_releases/gusa/GivingReaches300billion.pdf