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その他ニュース

2009年11月25日 15:00

その他 : NPO法人会計基準の意見募集始まる!

 11月14日、日本初の市民参加型で進んでいる「NPO法人会計基準策定プロジェクト」は、中間報告を発表した。報告は、3月から半年間の議論をまとめた論点整理と様式例。同日より、広く意見を募集する「パブリックコメント」もスタート。併せて、全国16ヶ所で説明・意見交換を行う「全国キャラバン」も実施する。

 

 1998年の特定非営利活動促進法(NPO法)施行から、もうまもなく11年が経つ。特定非営利活動法人(NPO法人)の数は、この11年増加し続けており、約3万8千法人が全国で活躍している。NPO法人に寄せられている社会的期待も非常に大きくなる一方で、信頼性やアカウンタビリティ(説明責任)の向上が、重要な課題となっている。

しかし、NPO法人制度では、統一された会計基準が定められておらず、このため、会計書類が法人によって表記方法がばらばらで比較できない、資金の使途が分かりにくい、会計士・税理士が支援しにくい、経営判断が的確にできない、などの問題が起こっていた。

このような状況を受け、2009年3月、「NPO法人会計基準策定プロジェクト」がスタート。プロジェクトは、各地のNPO支援センターなどからなる「NPO法人会計基準協議会(協議会)」と、公認会計士・税理士ら専門家からなる「NPO法人会計基準策定委員会(策定委員会)」などで構成。事務局は、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会が担っている。

社会的には、企業会計基準における「国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)」や新公益法人会計基準など会計基準への関心も高まりつつある。プロジェクトでは、NPO法人の信頼性を高めるため、市民参加を重視して、現場のニーズや幅広い関係者の意見を反映しながら「NPO法人会計基準」の策定を進めている。
 
参考ニュース 「32団体で『NPO法人会計基準づくり』始動」 (2009/04/08)
/2009/04/その他-32団体で「npo法人会計基準づくり」始/

3月のプロジェクト開始後、11月までに5回の策定委員会と2回の協議会を開催。それぞれの会合は公開され、希望者は誰でも参加できる(オブザーバー登録は必要)。その他、公開ディスカッションやインターネット掲示板での議論も、なるべく多くの市民が参加できるようオープンな形で行ってきた。

参加の輪は着実に広がり、11月22日現在、協議会に北海道から沖縄までの65団体が参加。24名の策定委員をはじめ、43名のサンプル専門委員(様式例の検討・作成を担当)、14名の掲示板専門委員(インターネット上の掲示板運営・管理を担当)が参加。NPO法における認証などを担当している行政側、内閣府や47都道府県の所轄庁にも参加を呼びかけ、46所轄庁が参加を表明。さらに、300名を超えるオブザーバーがかかわりながら、プロジェクトは進んでいる。

民間主導・市民参加型での策定を実現するため、プロジェクトに賛同した多くの民間助成財団や企業、個人が、助成や寄付、協賛という形で資金的にも協力。助成財団センターの後援、キリン福祉財団・中央労働金庫・東京都共同募金会・トヨタ財団・郵便事業株式会社・損保ジャパン記念財団・三菱財団による助成をはじめ、会計ソフトメーカーなどの協賛、100名近い個人からの寄付により、プロジェクトが支えられている。

11月14日は、13時から第5回NPO法人会計基準策定委員会と第2回NPO法人会計基準協議会の合同会議が開催された。策定委員会からは、半年間にわたる議論を9つの論点に整理した「論点に関するご報告」と、様式例である「会計基準のサンプル」からなる中間報告(下記項目参照)が発表され、協議会メンバーとの議論が行われた。

19時からは、中間報告イベント「ここが争点!NPO法人の会計基準!! ~『とことん聞きます!!みんなの意見』全国キャラバンスタート~」を開催。会場が満員となる約150名が参加。策定委員会副委員長の脇坂誠也氏が中間報告の内容を分かりやすく解説。策定委員長の江田寛氏、協議会メンバーの大久保朝江氏、実吉威氏らによるパネルディスカッションも行われ、出席者から意見を募った。

【NPO法人会計基準 論点について:パブリックコメント募集内容】

A:会計基準の全体的な点について
B:会計基準のスタイル(様式例)について
C:これまでの議論の内容について(以下参照)
 論点1.小規模法人に対して、どのような配慮をすればよいのか。
 論点2.現物による寄付を受けた場合には、どのように対応する必要があるのか。
 論点3.無償による施設の提供は、どのように会計に反映することが必要か。
 論点4.ボランティアの協力をどのように反映したら良いのか。
 論点5.使途等に制約のある寄付の受入・未使用分の保有をどのように取り扱ったらよいのか。
 論点6.NPO法が前提とする計算体系の下での「収支計算書」はどのような構成でなければならないのか。
 論点7.NPO法に「収支計算書」及び「貸借対照表」とともに列挙された「財産目録」をどのように考えるのか。
 論点8.「その他の事業」の会計を特別な会計として区分するというのは、収支計算書(委員会では「活動計算書」と)だけでなく貸借対照表まで区分する必要があるのか。
 論点9.事業費と管理費の区分について、どのように考えたらよいのか。


(中間報告イベントの様子 パネルディスカッション 11/14)

同日より、中間報告への意見を広く募集するパブリックコメントも開始した。募集は12月31日までで、誰でも意見を提出できる。関連情報がまとめられているプロジェクトの専用ウェブサイト「みんなでつくろう!NPO法人の会計基準( http://npokaikei.blog63.fc2.com/ )」上から、オンラインで提出可能。

また、全国のNPO関係者からの意見を集めるため、策定委員ら専門家が地域に出向く「全国キャラバン『とことん聞きます!!みんなの意見」を北海道~沖縄まで、下記全国16ヶ所で開催。中間報告の解説や意見交換を行って、パブリックコメントへの意見を募る。

【全国キャラバン「とことん聞きます!みんなの意見」開催予定日・開催地域】
         
11/27  大阪  大阪ボランティア協会
11/28  名古屋 ボランタリーネイバーズ
11/29  浜松  浜松NPOネットワークセンター 
12 / 1 千葉   ちば市民活動・市民事業サポートクラブ
12 / 5  福岡  NPO会計税務支援福岡
12 / 6  佐賀  佐賀県CSO推進機構
12 / 7  北海道 北海道NPOサポートセンター
12 / 8  仙台  杜の伝言板ゆるる/せんだい・みやぎNPOセンター
12 / 9  熊本  NPOくまもと
12/10  沖縄  まちなか研究所わくわく/那覇市NPO活動支援センター
12/12  広島  ひろしまNPOセンター
12/13  長野  長野県NPOセンター
12/16  茨城  茨城NPOセンター・コモンズ
12/22  神奈川 税理士による公益活動サポ-トセンタ-

※上記以外に四国・北東北でも開催検討中、また各地域での自主開催セミナーも展開されている
詳細は「みんなでつくろう!NPO法人の会計基準」内の下記ページを参照。
http://npokaikei.blog63.fc2.com/blog-entry-45.html

NPO法人制度は、多くの市民や市民活動団体が手を携えて立法に向けて活動した結果、創設されたものだ。同様に、NPO法人の会計基準も多くの市民やNPOが参加して、策定に取り組んでいる。ぜひ、お近くで開催される全国キャラバンへ参加していただき、パブリックコメントを寄せていただきたい。


(NPO法人会計基準策定プロジェクト ウェブサイト「みんなでつくろう!NPO法人の会計基準」)

中間報告の内容や全国キャラバン情報など、NPO法人会計基準プロジェクトについては、下記「みんなでつくろう!NPO法人の会計基準」を参照。
http://npokaikei.blog63.fc2.com/

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