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その他ニュース

2010年02月10日 22:00

その他 : ファンドレイジング・日本2010、大盛況!

2月6日と7日、日本ファンドレイジング協会(JFRA)(東京都 代表理事:堀田力 NPO法人申請中)は日本初となるファンドレイジング大会「ファンドレイジング・日本2010」を東京・赤坂にて開催。NPO関係者を中心に、全国から約400人が参加。「第1回ファンドレイジング大賞」や「寄付者の権利宣言2010」も発表された。

「ファンドレイジング(Fundraising)」とは、寄付を集めるなどして、民間非営利組織(NPO)が資金を開拓・調達していく活動のこと。定訳はまだ定まっていないが、「資金開拓」や「資金調達」と訳される。

同様の単語として、「ファンドレイズ(Fundraise)」があり、ファンドレイジングを担当する者を「ファンドレイザー(Fundraiser)」と呼ぶ。日本ではまだ馴染みの薄い単語や概念だが、日本ファンドレイジング協会の活躍もあり、徐々に浸透している。

日本ファンドレイジング協会は、日本における寄付文化の革新を目指し、2009年2月18日に設立された任意団体(現在、NPO法人認証申請中)。「寄付という行為が高く評価され、ファンドレイジング担当者が誇りと自信をもって、仕事を遂行し、また、寄付者が幸せと満足を実感できる新しい寄付社会を創造していきます。」とミッションを掲げている。

参考ニュース 「来春、日本ファンドレイジング協会が発足!」(2008/11/28)
/2008/11/その他-来春、日本ファンドレイジング協会が発/

設立に当たっては、30名の発起人呼びかけ人が賛同を呼びかけ、これに全47都道府県・世界5ヶ国から580名が設立発起人として参加。シーズ・市民活動を支える制度をつくる会は設立準備を担い、2月18日の「日本ファンドレイジング協会設立記念シンポジウム~寄付文化革命、始まる!~ 」を協会と共催で開催。

当日は米国ファンドレイジング協会(AFP:Association of Fundraising Professionals)のCEOポーレット・マエハラ氏が特別基調講演、全国各地から会場が満員となる360名が参加し、会場は寄付文化の革新へ向けた熱気に包まれた。

参考イベント報告 「日本ファンドレイジング協会 設立記念シンポジウム ~寄付文化革命、始まる!~」
/2009/02/日本ファンドレイジング協会設立記念シンポジウ/

その後、協会は「ファンドレイジングセミナー2009やファンドレイジング研究会の開催」や「寄付者権利憲章の策定」、「ファンドレイジングジャーナルの発行」など、日本の寄付文化の革新に向けて、活発に事業を展開している。

日本各地からファンドレイジング担当者や関係者が一堂に集う、今回のファンドレイジング大会もこうした寄付文化革新に向けた取り組みの一つ。

●「ファンドレイジング・日本2010」の模様
2月6日と7日の2日間にわたって、東京・赤坂の日本財団ビルにて開催された「ファンドレイジング・日本2010」には、NPO関係者を中心に、全国から約400人が参加。

全24セッションでは様々な団体での事例や専門的知識など、充実した内容だった。

【2月6日(1日目)】

まず、ヨーロッパファンドレイジング協会(EFA:European Fundraising Association)の副会長ロバート・カワルコ氏によるオープニングセッション、特別基調講演「ヨーロッパにおけるファンドレイジングの動向」からスタート。


(大会の様子 講演するカワルコ氏 2/6)

オープニングセッションに続いて、6日は以下のようなセッションが行われ、どのセッションも活気に満ちたものとなった。米田佐知子氏(神奈川こども未来ファンド)や深尾昌峰氏(京都地域創造基金)による「地域における資金循環へのチャレンジ~地域ファンドを10倍育て、10倍活用するには」では、地域でNPOや市民活動への資金循環を生み出す試みを紹介。


(大会の様子 説明する深尾氏 2/6)

林直樹氏(株式会社電通)による「広報力アップセミナー~プロが悔しがるNPOのコミュニケーション。「それは代理店にはできない!」」では、参加者が紙袋を被りながら、コミュニケーションのコツを学んだ。


(大会の様子 紙袋を被ってのコミュニケーション 2/6)

金沢俊弘氏・長沼良行氏(公益法人協会)による「公益認定取得の考え方とポイント~自団体の成長にとって最適な公益法人化を検証する」では、新公益法人になるためのポイントを指南。


(大会の様子 講演する長沼氏 2/6)

肥田野正輝氏(インフォラウンジLLC)による「オンラインコミュニティをファンドレイジングに活かす~SNS, Twitter, Facebook, ブログ、さまざまなICTを活かした支援者拡大方法」は、廊下にまで参加者がはみ出る人気で、ソーシャルメディアに対する関心の高さを伺わせた。


(大会の様子 講演する肥田野氏 2/6)

野村尚克氏(コーズブランド・ラボ)による「『三方よし』で世界を救うショッピング~コーズリレーティッドマーケティングの最新トレンド、そして自分の団体に活かすために」では、最近広がりを見せているコーズリレーティッドマーケティング(CRM)での成功の秘訣が語られた。


(大会の様子 講演する野村氏 2/6)

シーズも「組織のみんなでファンドレイジング~実務担当者を「育てる」ための指導者育成講座」のセッションを担当。2セッション分の3時間を使って、開催。前半ではシーズ副代表の池本が司会を務め、NPO法人「育て上げ」ネット理事長の工藤 啓氏とNPO法人ユニバーサルクリエート代表の佐伯康人氏をお招きし、組織的なファンドレイジングについて事例紹介や意見交換を行った。続いて、後半ではシーズ コミュニケーション・ディレクターの鈴木が組織的なファンドレイジングを目指したワークショップを行った。


(大会の様子 事例を紹介する工藤氏・佐伯氏ら 2/6)


(大会の様子 講演する鈴木 2/6)

6日夜には参加者・講師間の交流を深める懇親会も開催された。こちらも多くの参加者を得て、大いに盛り上がった。


(大会の様子 懇親会 2/6)

大会の運営には、多くのボランティアが参加。また、学生向けにスカラーシップ制度も設けられ、若い学生も多く参加した。寄付文化の革新を市民が参加しながら進めるという、協会らしい運営となった。

【2月7日(2日目)】

1日目に引き続き、2日目も魅力的なセッションがずらりと並び、各セッションは熱い熱気に包まれつつ、活発に行われた。

伊藤清和氏(元・富士ゼロックス東京株式会社)による「企業とのコミュニケーション・スキルアップセミナー~企業訪問時のコミュニケーションをワークショップ体験型で習得」では、「NPOが企業を訪問し、寄付をお願いする」という想定で実践的なロールプレイを実施。


(大会の様子 ロールプレイする伊藤氏 2/7)

早坂毅氏(税理士)による「遺贈寄付の受け入れ体制を整備しよう!~遺贈寄付を受ける際のポイントを早坂税理士が解説」では、これから増えることが予想される遺贈寄付について分かりやすい解説があった。


(大会の様子 解説する早坂氏 2/7)

岩附由香氏(ACE)による「組織の成長を実現する経営方針とファンドレイジング~NPO法人ACEの成長の軌跡と課題~」は、立ち見に加え、廊下まで参加者があふれる大盛況。


(大会の様子 講演する岩附氏 2/7)

吉田憲司氏(株式会社ファンドレックス)による「データベースで最適化するDRM (Donor Relationship Management)~寄付者コミュニケーションの効率化をはかるためのデータベースマネジメント」では、急遽米国から来日したBlackbaud社の関係者も交え、米国のデータベース先進事例を参考に、日本におけるDRMの可能性を議論した。


(大会の様子 説明する吉田氏ら 2/7)

2日間にわたる大会の締めくくりとして、クロージングセッションは「日本の寄付文化の革新を目指して」と題して、参加者が一堂に集まり開催。

クロージングセッションの場で、「第1回ファンドレイジング大賞」や「寄付者の権利宣言2010」も発表。来年、また同所で開催される次回大会での再会を約束して、大会は終了した。

●「第1回ファンドレイジング大賞」の発表
感動を与えたファンドレイジングを表彰する「第1回ファンドレイジング大賞(FUNDRAISING of the Year)」には「認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)()」が選ばれ、協会代表理事の堀田力氏から理事長の細川佳代子氏に賞状とトロフィーが贈られた。

ファンドレイジング大賞は、寄付の成功事例を明らかにすることで、日本全国に新しい寄付文化を生み出していくことを目的に、人々に感動と笑顔を与えたファンドレイジングを全国から募集し、選考の上、表彰するもの。

協会では、昨年12月31日まで自薦・他薦による応募を受付、選考を行っていた。

参考ニュース 「日本ファンドレイジング協会、大会を開催!」(2009/12/07)
/2009/12/その他-日本ファンドレイジング協会、大会を開/

認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)は、「僕のルール 私の理由 エッセイコンテスト」等の活動により、一団体の枠を越えて日本の寄付文化発展に貢献していることが評価されたとのこと。


(大会の様子 クロージングセッションでの表彰堀田氏と細川氏 2/7)

●「寄付者の権利宣言2010」の発表
また、7日には、寄付者の知る権利や個人情報保護などを盛り込んだ下記「寄付者の権利宣言2010」を発表。これは、協会が12月に素案を起草、広く意見を募集し再検討を重ねた上で策定したもの。

参考ニュース 「『寄付者の権利宣言』策定に向けて意見募集」(2009/12/14)
/2009/12/その他-「寄付者の権利宣言」策定に向けて意見/


(大会の様子 クロージングセッションでの権利宣言発表 2/7)

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寄付者の権利宣言2010

2010年2月7日
日本ファンドレイジング協会

私たちは、すべての人が社会をより良くしていくために、自由な意思に基づく寄付やボランティア活動により、社会に参加する権利を有していると考えています。

私たちは、寄付の促進のためには、寄付に託された寄付者の志や想いがきちんと受け止められ、寄付者が寄付による満足感や達成感を得られることが大切だと考えています。

よって、私たちは、寄付という行為を通じて、寄付者と寄付の受け手が相互に理解を深め、信頼関係を構築していくために、ここに寄付者の権利を宣言します。

1.寄付者は、寄付に際して、寄付先、寄付目的、寄付金額、寄付物品を自身の意思で決めることができます。
2.寄付者は、寄付金や寄付物品の使途目的をあらかじめ知ることができます。
3.寄付者は、寄付先の組織、事業内容、財務情報について知ることができます。
4.寄付者は、寄付金や寄付物品が実際にどのように活用されたかを知ることができます。
5.寄付者は、寄付先に、自身の個人情報の保護を求めることができます。
私たちは、寄付者の権利は時代とともに進化するものと考えています。
本宣言を起点として、日本ならではの寄付のあり方について議論を広げていきたいと考えています。

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