その他 : 「NPO Day2010」開催、最新のIT情報を紹介
2月9日、特定非営利活動法人(NPO法人)日本NPOセンターとマイクロソフト株式会社は、共催で「Microsoft NPO Day 2010」を東京(新宿)にて開催した。日本における「NPO Day」は今年で5年目。今年はNPO向けIT支援などに携わるスタッフが主な対象。「Office2010」や「Windows Live」などの最新IT情報が紹介され、NPOのIT支援が議論された。
「NPO Day」は、社会課題解決のためにさまざまな分野で活躍しているNPOの組織強化とIT活用力向上を支援するイベント。
マイクロソフト株式会社は、「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を、最大限に引き出すための支援をする」という企業ミッションのもと、企業としての社会的責任を果たすべく、さまざまな企業市民活動を推進しており、このイベントはマイクロソフト企業市民活動の一環として、2006年から開催され、今年で5年目。今回はNPO支援を行うNPO法人日本NPOセンターと共催で開催した。
参考イベント報告「Microsoft NPO Day 2008 東京」
/2008/04/microsoft-npo-day-2008-東京/
参考イベント報告「Microsoft NPO Day 2007札幌&名古屋」
/2007/08/microsoft-npo-day-2007札幌&名古屋/
今回は下記2つをテーマに設定。東京新宿のマイクロソフト新宿オフィスにて、1日かけてオープニングセッション・スキルアップセッション(分科会)・パネルディスカッション・ディスカッションという充実したプログラムが行われた。
1. 最新IT 技術の動向について知る
最新の技術動向やNPOに役立つ技術情報をマイクロソフト社員がプレゼンテーション
2.NPO へのIT 支援体制に関して意見交換する
NPOのIT利活用がさらに促進するよう、各地域のIT支援体制について意見交換
当日は、まず、ジェイムス・フォスター氏(マイクロソフト株式会社 業務執行役員 法務・政策企画統括本部長)が「Microsoft NPO Dayも今年で5年目。これまで、全国各地で開催し、延べ約2000名の方にご参加いただいている。今日は、最新のIT情報をご提供したい。NPOのポテンシャルをITを使って、最大限引き出すために支援に取り組んでいきたい。」と開会あいさつを行った。
(当日の様子 開会あいさつするフォスター氏 2/9)
次に、加治佐俊一氏(マイクロソフト株式会社 最高技術責任者(CTO))が「ITで広がる未来」と題して、オープニングセッションの講演を行った。
加治佐氏は、「全ての机に家庭にコンピューターを」という1975年創業当時のビジョンからはじめ、メインフレームからクライアントサーバー、そしてクラウドへと、コンピューター発展の歴史を振り返った。近々導入される予定の「モーションキャプチャ」など最新の技術も紹介。ITがさらに発展した10年後の社会をイメージしたムービーを使いながら、「ユビキタス・コンピューティング」が当たり前になっている未来社会を提示した。企業市民活動については、マイクロソフトの社員は「ITの可能性を信じて、NPOの皆さんと一緒にやっていきたい」と思っていると述べた。
質疑応答では、プレゼンテーションがあった最新技術の活用に関する質問やOSの利用可能性に関する質問、製品の価格に関する質問が出された。
(当日の様子 講演する加治佐氏 2/9)
続く、スキルアップセッション(分科会)は下記3つの分科会にて、マイクロソフト社の提供するサービスの活用法が紹介された。
A)「Officeをもっと活用しよう!」
B)「無償のオンラインツール使って効果的に情報の発信・共有をしよう!」
C)「安心・安全なパソコン環境、インターネット環境を整備しよう!」
分科会Bの「無償のオンラインツール使って効果的に情報の発信・共有をしよう!」では、浅川秀治氏(マイクロソフト株式会社 コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部 オンラインマーケティング本部本部長)が、無料で使用可能で、NPOも活用しやすいオンラインツールをデモを交えながら紹介した。メールではISP提供アカウント、Gmail、Yahoo!メールなどを含めた複数アカウントを統合可能な「Windows Live Mail( http://download.live.com/wlmail/ )」。オンラインストレージでは25Gの容量を誇る「Windows Live SkyDrive( http://skydrive.live.com/ )」。また、ワードと同じ感覚で、ブログ記事を書けるツール「Windows Live Writer( http://download.live.com/writer )」も紹介された。
質疑応答では、アップロードサイズの制限や写真の共有方法、無償サービスの情報一覧、動作条件、共有権限の管理などの質問が相次ぎ、情報やデータの共有にNPOが苦労していることが伺えた。
浅川氏は質問に丁寧に回答し、改善のレスポンスを約束するなど、非常に積極的に対応していた。
(当日の様子 講演する浅川氏 2/9)
その後、午後のパートでは、下記パネルディスカッション・ディスカッションが行われ、NPO向けのIT支援について活発な意見交換があった。
パネルディスカッション
「NPOへのIT支援の現状と課題の整理」
事例報告:三澤章氏(あおもりNPOサポートセンター 事務局長)
事例報告:武田真木子氏(高知県ボランティア・NPOセンター スタッフ)
コーディネーター:田尻佳史氏(日本NPOセンター 事務局長)
ディスカッション(分科会)
1.個別相談でのIT支援を事業化する
話題提供:三澤章氏(あおもりNPOサポートセンター 事務局長)
コーディネーター:坂口和隆氏(日本NPOセンター 事務局次長)
2.集合研修でのIT支援を事業化する
話題提供:武田真木子氏(高知県ボランティア・NPOセンター スタッフ)
コーディネーター:吉田建治氏(日本NPOセンター 企画スタッフ)
当日の模様は、後日動画を含めて報告されるとのこと。
また、マイクロソフト社をはじめアドビ・シマンテックの3社は、2009年6月より日本NPOセンターと協働して、ソフトウェア寄贈やオンラインITサポートを行う「TechSoup Japan(テックスープ ジャパン)」を開始。各社の社会貢献の一環として、低額な手数料のみで各種ソフトウェアを入手することが可能になっている。
参考ニュース「日本NPOセンター、NPOにソフト寄贈開始」(2009/06/12)
/2009/06/その他-日本npoセンター、npoにソフト寄贈開始/