その他 : H21年度、企業の寄附金ここ10年で最大
5月11日、国税庁は平成21年度分「会社標本調査~税務統計から見た法人企業の実態~」の結果を公表した。それによると、株式会社など企業の寄附金総額の推計は5,467億円で、前年度比10.7%増。その内、認定NPO法人や特定公益増進法人への寄附金は824億円で、17.7%の大幅増だった。共に、ここ10年間で最大となった。
「会社標本調査」は国税庁が昭和26年(1951年)度分から始まり、以後毎年実施している標本調査。
日本の法人企業について、「資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすること」を目的にしている。今回が第60回目。
休業及び清算中の法人や一部の一般社団・財団法人を除く、「内国普通法人(株式会社(旧有限会社を含む)・合名会社・合資会社・合同会社・企業組合・相互会社・医療法人など)」が対象。公益法人や特定非営利活動法人、協同組合、任意団体等は含まれない。
一定の抽出率で調査対象を抽出し、集計。その結果から、全体を推計する形式。集計数値は法人税の確定申告書等に基づいている。平成21年度の標本法人数は、約100万社(1,000,514社)だった。昨年度(平成20年度)の約5万社(51,719社)と比較すると、標本法人数が20倍に増加している。これは、今回の調査から、国 税電子申告・納税システム(e-Tax)の電子データ利用を開始したため。
会社標本調査には、「寄附金」についての項目があり、企業(内国普通法人)の寄附金総額や業種別内訳、営業収入あたりの寄付金額などを把握することが可能。
参考ニュース「H20年度、企業の寄附金支出額は約5千億円」(2010/03/19)
/2010/03/その他-h20年度、企業の寄附金支出額は約5千億円/
今回発表された平成21年度分結果によると、日本の企業の年間寄付総額は推計5,467億円で、前年度の4,940億円に比べ10.7%の増加。その内、指定寄付金(国・地方公共団体や共同募金会などへの寄附金)が1,726億円で、36.4%の大幅増。特定公益増進法人や認定NPO法人への寄付金も824億円で、17.7%の大幅増だった。これら全て、ここ10年間で最大となった。
全体に占める寄付した法人の割合は、約4割(420,945法人:42%)だった。
また、寄付金全体の内、損金算入された金額は3,450億円(63%)、損金不算入金額は2,016億円(37%)となっている。
寄附金支出額はかなり変動があり、一定した傾向は見られないが、ここ2~3年は増加傾向。
業種別で見ると、「運輸通信公益事業」が1,221億円と全体の約2割を占め、突出している。
【平成10年度分からの寄附金支出額/前年度比増減】
平成10年分:4,938億円/-14.0%
11 :4,830億円/- 2.2%
12 :4,701億円/- 2.7%
13 :4,785億円/1.8%
14 :5,092億円/6.4%
15 :5,377億円/5.6%
16 :4,532億円/-15.7%
17 :5,032億円/11.0%
18 :4,756億円/-5.5%
平成18年度分:4,507億円
19 :4,785億円/6.2%
20 :4,940億円/3.2%
21 :5,467億円/10.7%
※平成18年度が重複しているのは調査対象事業年度の変更に伴うもの
寄付関連以外の注目される結果では、欠損法人(いわゆる赤字法人)が全体の7割超(72.8%)となり、昨年に続き7割を超えている。
平成21年度分「会社標本調査」の詳細は、国税庁サイト内、下記ページを参照。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2009/kaisya.htm