No.063 『カムバック!「市民活動促進法」』(2004/04/15配信)
バックナンバーの情報は配信当時の情報です。
現在では情報が変化している可能性があります。ご注意ください!
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シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
■2004-04-15■
■No.063 NPOWEB Mail Magazine
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—事務局より—
今月19日と24日にイベントをします。19日は、公益法人改革の中間整理に関しての緊急集会です。3月末に「議論の中間整理」が発表されたことを受けて、どのような改革が想定されているのか、NPOはどう対応すべきなのかを考えます。また、24日のイベントは、シーズ立ち上げのきっかけになったシンポジウムからの10周年を記念するものです。1998年のNPO法成立以来、NPO法人は劇的に増加する一方です。NPOを取り巻く現在の状況について、事例を交えて報告し、これからのNPOのあるべき方向性を考えます。イベントの詳細は以下アドレスよりご覧下さい。みなさまのご参加、お待ちしています。(S)
・4/19 公益法人制度改革「議論の中間整理」を読む
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1601
・4/24 キックオフから10周年 記念イベント
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1599
─◆INDEX◆──────────────────────────
★メルマガ・コラム
『カムバック!「市民活動促進法」』(松原明)
★シーズからのお知らせ!
NPOWEBの見どころ
公益法人制度改革「議論の中間整理」を読む(東京) ほか
★見逃せない!注目のニュース
政府、「中間整理」の意見募集 ほか
★トクトクNPOサポート情報
(財)ユニベール財団 ほか
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★☆★☆メルマガ・コラム★☆★☆
『カムバック!「市民活動促進法」』
◆海外からお客さんが来ると◆
シーズには、時々、海外からのお客さんが来る。
米国のNPO関係者だったり、アジアやヨーロッパの行政のNPO担当者だったり、いろいろだ。しかし、シーズに来て、質問されることの内容はほぼ同じ。
「日本のNPOはどういう状況にあるのか?」というものだ。
そして、これが、一番説明しにくいことの一つでもあり、とても苦労する。
多くの海外からのお客さんが持っている知識は、次のようなものだ。
「日本では、最近、NPO法という法律ができた。」
「日本でも、近年、NPOの活動が活発になってきている。」
日本のNPO関係者も、彼・彼女らに「日本はNPO活動の歴史が浅く、まだまだ始まったばかり」という説明をしがちなので、ますます、海外の人たちは、「日本にはNPOの歴史がなかったのだな」とか思ってしまうようだ。
◆日本はNPOの伝統が長い?
しかし、欧米では、NPOといえば、教会など宗教団体を含めて考える場合も多い。統計では、赤十字も、オリンピック委員会も、ハーバード大学だってNPOとしてカウントされる。
日本にだって昔から、神社仏閣という宗教組織は、しっかり活動してきているし、中世には、地縁を基盤としたさまざまな共済組織が活動していた。明治以降は、赤十字もあるし、オリンピック委員会も、早稲田や慶応といった私立大学もたくさんある。
著名な経営学者ピーター・ドラッガーは、名著『非営利組織の経営』の「日本語版への序文」の冒頭を次のように始めている。
『いまも機能している最古の非営利機関は、日本にある。奈良の古寺がそれである。創立の当初から、それらの寺は、非政府の存在であり、自治の存在であった。もちろん、「企業」でもなかった。そして、今日、日本には、かなりの数の非営利機関、つまり、美術館、病院、私立学校、そして私立大学がある。しかも非営利のある領域では、日本は世界で最も進んでいる。あらゆる種類の産業団体である。』
◆欧米とは違う日本のNPOセクター
しかし、今日、私たちが、一般に、日本で「NPO」というときは、奈良の古寺や産業団体、私立大学などは含まない。今、良く語られるようになった「自治体とNPOのパートナーシップ」というテーマだって、誰も「奈良の古寺や産業団体と自治体の協力」について話そうというわけではないのは明らかだ。
日本で、NPOというときは、海外とはまったく違う意味で使われているということを、多くの海外のお客さんたちは知らない。
だから、海外からのお客さんに、日本のNPOについて説明するときは一苦労となる。
下手に、「NPO」というと、彼・彼女らは、自分の国の非営利組織との対比で考えてしまうからだ。
私は、海外からのお客さんを迎えると、たいてい、次のように始めることにしている。
「日本は、非営利組織に関しては、世界の多くの国と同じように、極めて長い歴史を持っていて、同時に、制度も複雑になっている。」
「第二次世界大戦以降の話に限定すると、宗教団体を除くと、政府が保護・管理してきた大きな非営利セクターと、新しく成長してきて、政府の管理下にない、しかしまだまだ小さい非営利セクターという二重構造が日本の非営利セクターの特徴である。」
「NPO法は、この新しく成長してきた非営利セクターのために作られた法律である。」
「政府が保護・管理してきた大きな非営利セクターも、社会経済状況の変化や公益法人制度改革で、いまダイナミックに変わりつつある。」
こんな話をとうとうとするのだが、果たして分かってもらえているのか、いつも心許ない。
◆NPOという言葉は再考の時
問題は、NPOという言葉が、本来は、すべての非営利団体に対して用いられる言葉なのに、日本では、新しく成長してきた市民活動団体やボランティア団体を指す言葉として、現在用いられていることにある。
もちろん、そのように言葉が使われるようになったのは、それなりの背景があることは知っている。
しかし、ぼちぼち、国際的な用法に合わせていってもいいのではないか。
そして、今、日本でNPOと呼ばれている団体は、NPOの一部として、「市民活動団体」といった名称にすればいいのではないだろうか。
NPO法だって、法案だったときは、「市民活動促進法案」という名称だった。
NPO法人というより、市民活動法人の方が、どんな法人かよく分かる。
NPO法、つまり「特定非営利活動促進法」の名称をいつかは変更したいと思っているのは、少数者なのだろうか。
(松原明)
★☆★☆シーズからのお知らせ!★☆★☆
NPOWEB PR ◆……………………………………………………………………
NPOWEBの見どころ
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★シーズのwebサイト「NPOWEB」は3月31日午後、全面リニューアルしました。
前回のメルマガと重ねてのお知らせとなりますが、リニューアルのポイントと最新の更新情報についてお知らせします!ご意見など、ぜひお寄せ下されば幸いです。
【1】「助成金情報」「支援情報」のメニューボタンをトップページの上部に配置。利便性が良くなりました。
【2】ニュースに関しては、印刷用レイアウトを作成しました。ご利用下さい。
【3】イベント報告「NPOの会計と税務〜NPO法人の税制に関する課題と展望」を掲載しました。このイベントは、2004年3月19日から21日の間、横浜で行われた「日本NPO学会第6回年次大会」のプログラムの1つでした。NPOWEB「なんでも質問箱」回答者の赤塚和俊氏とシーズの松原明が参加しました。
読んでみる?→ https://www.npoweb.jp/0802/event_houkoku.php3?article_id=1596
【4】「よくある質問」では、なんでも質問箱を中心に、シーズに寄せられたよくある質問とその答えをカテゴリ別にまとめていき、随時更新しています。
見てみる?→ https://www.npoweb.jp/faq_list.php3
【5】npowebのニュースは土日も含む毎日更新しています。最近では、NPO関係のニュースも充実させてきています。どうぞご注目ください。
2004年のニュース一覧を見る?→ https://www.npoweb.jp/news_list_2004.php3
NPO Event ◆………………………………………………………………………
公益法人制度改革「議論の中間整理」を読む(東京)
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日 時:4月19日(月)午後7:00〜9:00(予定)
会 場:中野サンプラザ8F 研修室2
中野区中野4-1-1(中野駅北口前)
中野駅(JR中央線・JR総武線・地下鉄東西線)北口下車すぐ
参加費:1,000円
発表者:松原 明(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長)
山岡義典(日本NPOセンター常務理事/法政大学教授)
定 員:90名(当日会場先着順)
共 催:シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
特定非営利活動法人 日本NPOセンター
協 力:NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会
問い合わせは、
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
〒162-0825新宿区神楽坂2-22かつ田ビル3F
TEL:03-5227-2008 FAX:03-5227-2009
▽詳細はシーズホームページで!
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1601
お知らせコーナーにて紹介
NPO Event ◆………………………………………………………………………
キックオフから10周年 記念イベント(東京)
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日 時:4月24日(土)午後1:30〜4:30
会 場:全労済東京都本部会議室
(新宿区西新宿7-20-8)
参加費:1,000円
◆第一部 いま何が問われているのか 13:30〜14:45(予定)
【現状報告】
報告者:松原明・轟木洋子(シーズ)
【課題提起】
1.NPOによる消費者被害
発表者:宇都宮健児(弁護士・東京市民法律事務所)
2.不要な所轄庁の監督強化
発表者:大野直之(自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会)
3.パートナーシップにおけるNPOの自立性
発表者:根本悦子(ブリッジ エーシア ジャパン・理事長)
◆第二部 次のステップのために 15:00〜16:30(予定)
コーディネーター:辻 利夫(東京ランポ・事務局長)
パネリスト:山北洋二(あしなが育英会・理事)
宇都宮健児(弁護士・東京市民法律事務所)
根本悦子(ブリッジ エーシア ジャパン・理事長)
松原 明(シーズ・事務局長)
定 員:90名(要予約)
共 催:シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
協 力:特定非営利活動法人 東京ランポ
問い合わせは、
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
〒162-0825新宿区神楽坂2-22かつ田ビル3F
TEL:03-5227-2008 FAX:03-5227-2009
▽詳細はシーズホームページで!
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1599
お知らせコーナーにて紹介
NPO Event ◆…………………………………………………………………………
シーズ学習会:NPO法人消費税セミナー(東京)
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※まだ空きがありますので、ぜひお申し込み下さい。
日 時:4月26日(月)午後7:00〜9:00
会 場:中野サンプラザ 8階研修室2
中野区中野4-1-1(中野駅北口前)
中野駅(JR中央線・JR総武線・地下鉄東西線)北口下車すぐ
参加費:一般3,000円(シーズ会員特別価格2,500円)
講 師:赤塚和俊さん(公認会計士、税理士)
定 員:80名(事前申込制)
※お名前、ご所属、ご住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレス、質問事項をご記入のうえFAXにてお申し込み下さい
参加申込・問い合わせは、
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
〒162-0825新宿区神楽坂2-22かつ田ビル3F
TEL:03-5227-2008 FAX:03-5227-2009
▽詳細はシーズホームページで!
https://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=1543
お知らせコーナーにて紹介
★☆★☆見逃せない!注目のニュース★☆★☆
NPO News ◆………………………………………………………………………
政府、「中間整理」の意見募集 (4月9日のニュース)
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内閣官房行政改革推進事務局は8日、「議論の中間整理」についての意見を広く一般から募集することを発表した。5月10日までに電子メール、郵送、FAXで受け付ける。
▼このニュースを詳しく読む?
https://www.npoweb.jp/news_info.php3?article_id=1603
NPO News ◆…………………………………………………………………………
「ふれあい事業」訴訟全面敗訴 (4月2日のニュース)
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4月2日、千葉地裁(山口裁判長)は、会員間で高齢者の介助などを行う「ふれあい事業(たすけあい事業)」に関して、法人税法上の課税事業であるという判断を示した。税務署が、「ふれあい事業」に法人税を課税したことに対して、NPO法人さわやか福祉の会流山ユー・アイネットが更正処分の取り消しを求めて訴訟を起こしていたもの。NPO法人側は全面敗訴となった。
▼このニュースを詳しく読む?
https://www.npoweb.jp/news_info.php3?article_id=1588
NPO News ◆…………………………………………………………………………
今日より改正消費税法スタート (4月1日のニュース)
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4月1日より消費税が改正された。改正によって、これまで3千万円だった課税売上高の免税点が1千万円に引き下げられ、商品などには総額表示が義務付けられる。NPO法人にも、改正が適用される。
▼このニュースを詳しく読む?
https://www.npoweb.jp/news_info.php3?article_id=1587
★☆★☆トクトクNPOサポート情報★☆★☆
★4月5日、7日、8日、12日、14日、15日更新の助成金情報です。
括弧()内の日付は、助成金申請の締め切り日です。
・千葉県
『「県・市町村・NPOがともに築く地域社会事業」委託業務に関する企画提案』募集 (4月20日)
・(財)東京都歴史文化財団
平成16年度創造活動支援事業 (4月23日)
・千葉県
『「NPO活動推進事業」の業務委託に関する企画提案』募集 (4月26日)
・文化庁
平成16年度「文化ボランティア推進モデル事業」募集 (4月30日)
・(財)世田谷区都市整備公社
公益信託世田谷まちづくりファンド (5月10日)
・文部科学省
平成16年度防災研究成果普及事業 (5月12日)
・長野県
平成16年度長野県NPO活動助成事業 (5月17日)
・朝日新聞社
第6回「朝日のびのび教育賞」 (5月20日)
・フィリップ モリス ジャパン株式会社
フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成 (5月24日)
・福岡県
平成16年度福岡県提案公募型事業プロジェクト募集(5月31日)
・(財)大同生命厚生事業団
平成16年度サラリーマン(ウーマン)ボランティア活動助成 (5月31日)
・(財)大同生命厚生事業団
平成16年度地域保健福祉研究助成 (5月31日)
・長崎県
平成16年度ながさきパートナーシップ創造事業(追加募集) (5月31日)
・ファイザー株式会社
ファイザープログラム 心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援 (6月28日)
・長野県
平成16年度長野県NPO活動助成事業 (7月20日)
・(財)ユニベール財団
2004(平成16)年度市民活動助成 (7月31日)
・長野県
平成16年度長野県NPO活動助成事業 (10月18日)
▼詳細はシーズホームページで!
https://www.npoweb.jp/m_subsidy_categ.php3
トップページの〆切間近の助成金情報とまだまだあります助成金等情報で紹介
★4月5日、7日更新のその他支援情報です。
括弧()内の日付は、申請の締め切り日です。
・外務省
平成16年度NGO専門調査員事業受入希望団体募集 (4月16日)
・外務省
平成16年度NGO専門調査員事業NGO専門調査員募集 (4月30日)
・特定非営利活動法人市民社会創造ファンド
SSCS(Small Schhols for Civil Soceity)インターンシップ奨励プログラム”NPOの現場を市民社会の小さな学校に” (5月11日)
▼詳細はシーズホームページで!
https://www.npoweb.jp
トップページのその他の支援情報にて紹介
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TEL : 03-5227-2008
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