内閣府、改正NPO法対応の新手引きを公表
3月9日、内閣府は4月1日から施行の改正NPO法(特定非営利活動促進法)に関する手引きやパンフレット等を公表した。従来のNPO法人制度に加え、認定NPO法人制度がNPO法に統合されたことに伴い、国税庁発行の「認定NPO法人制度の手引」にあった内容も新たに盛り込まれた。
改正NPO法案は、昨年2011年の6月15日に参議院本会議にて全会一致で可決・成立した。改正NPO法には、認証制度(NPO法人制度)と認定制度(認定NPO法人制度)が統合されると共に、双方について抜本的な改正が行われることとなった。これを受けて、内閣府は従来の手引きに代わる新たな手引きの策定を急いでいた。
2011年5月から11月にかけて「特定非営利活動法人の会計の明確化に関する研究会」を開催して検討を行い、会計基準については「本研究会としては、現段階において『NPO法人会計基準』は特活法人の望ましい会計基準であると考える」として、政府にNPO法人会計基準の採用を提言。「新しい手引きと『NPO法人会計基準』とは適切な役割分担の下、相互に補完し合う形で特活法人における会計の明確化をしていくものとして広く活用されることを望みたい」としていた。
今回、新たに公表されたのは、リーフレット「特定非営利活動法人制度のしくみ」、パンフレット「特定非営利活動促進法のあらまし」、手引き「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」の3点。リーフレットとパンフレットでは、改正内容を含めたNPO法全体の内容が分かりやすく説明されている。
新しい手引きである「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」では、認証制度(NPO法人制度)と認定制度(認定NPO法人制度)の双方について、目的・概要・手続き・運営などについて解説されている。また、各種の様式例も掲載がある。
NPO法人制度部分には、研究会の報告書に基づいて、NPO法人会計基準に沿った方向性が示されている他、活動計算書様式例も掲載された。
認定NPO法人制度部分では、従来の国税庁発行「認定NPO法人制度の手引」をベースとしながら、仮認定制度に関する内容が新たに追加され、事前チェックシートの充実や「活動計算書」切り替えに伴う修正が行われ、Q&Aも大幅に加筆されている。様式例も概ね従前の流れを踏襲しているものの、各所で更新が図られている。
改正NPO法では、内閣府は所轄庁でないため、本手引きの直接的対象となるNPO法人はないが、都道府県・政令市で計67にのぼる所轄庁の多くは、内閣府の手引きを参考に手引きや様式を策定していくと思われることから、本手引きは重要だ。今後、4月1日の施行に向けて、各所轄庁で手引きや様式等の公表が相次ぐと予想される。
自団体の所轄庁からの情報に注目して欲しい。
今回新しく公表された、リーフレット「特定非営利活動法人制度のしくみ」、パンフレット「特定非営利活動促進法のあらまし」、手引き「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」などは内閣府サイト内、下記ページを参照。
https://www.npo-homepage.go.jp/about/201204_kaisei.html
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「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」
【目次】
●第1章 法律の概要
1.法律の目的等
(1)法律の目的
(2)NPO法人になるための基準
2.NPO法人設立の手続
3.NPO法人の管理・運営
4.NPO法人格取得後の義務
(1)事業報告書等の情報公開と所轄庁への提出
(2)納税
5.認定NPO法人制度の概要
(1)認定NPO法人とは
(2)仮認定NPO法人とは
(3)認定NPO法人等になることによるメリット
(4)認定の基準
(5)欠格事由
(6)認定等の有効期間等
●第2章 特定非営利活動法人の設立について
1.設立の認証のための申請手続
(1)認証の申請
(2)認証又は不認証の決定
(3)法人成立後の届出
2.認証の基準
<様式例>
●第3章 認定NPO法人制度について
~導入編~
1.認定NPO法人等になるまでのフロー
2.認定等申請手続
3.事前チェックシート
~解説編~
1.認定、仮認定又は認定の有効期間の更新を受けるための申請手続
(1)認定を受けようとする場合
(2)仮認定を受けようとする場合
(3)認定の有効期間の更新を受けようとする場合
(4)認定NPO法人等の役員報酬規程等の提出義務
2.認定等の基準の概要
(1)認定の基準の概要
(2)欠格事由の概要
3.認定NPO法人としての認定を受けるための基準
4.仮認定NPO法人としての仮認定を受けるための基準
5.欠格事由
6.認定NPO法人等の税制上の措置
<様式例>
●第4章 法人の管理・運営について
1.NPO法人の報告義務
(1)事業年度終了後の報告
(2)役員変更等の届出
(3)定款の変更
2.NPO法人の情報公開
3.NPO法人に対する監督等
(1)報告及び検査
(2)改善命令
(3)設立の認証の取消
(4)罰則
<様式例>
4.認定NPO法人等の報告義務
(1)事業年度終了後の役員報酬規程等の報告
(2)助成金及び海外送金等の報告
(3)その他の報告
5.認定NPO法人等の情報公開
(1)認定NPO法人等の情報公開(閲覧)
(2)所轄庁の情報公開(閲覧・謄写)
6.認定NPO法人等に対する監督等
(1)認定NPO法人等に対する報告及び検査
(2)認定NPO法人等に対する勧告、命令等
(3)その他の事業の停止
(4)認定NPO法人等に対する認定等の取消
(5)罰則
<様式例>
●第5章 法人の合併、解散について
1.NPO法人の合併
2.合併法人に係る認定等の基準の適用
(1)合併によって設立されたNPO法人が申請を行う場合
(2)合併後存続したNPO法人が申請を行う場合
(3)認定NPO法人等の合併
<様式例>
3.NPO法人の解散・清算
(1)NPO法人の解散
(2)清算の結了手続
<様式例>
●Q&A
特定非営利活動促進法に係る諸手続きの手引き Q&A
●参考法令
特定非営利活動促進法、特定非営利活動促進法施行令、特定非営利活動促進法施行規則
組合等登記令
●所轄庁一覧
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