Q3「法律がどのように変わったのか、分かりやすく教えてください」
まず大きく変わったのは、NPO法人が認定NPO法人になるための基準がぐっと緩和されたことです。認定NPO法人になると税制上の優遇が受けられるため、寄付を集めやすいというメリットがあります。
認定を受けるためのこれまでの条件は「全収入のうち5分の1以上を寄付が占めている」というもの。ですが自分たちで事業をおこない、がんばって活動資金を得ている事業型NPOはどうしても事業収入の割合が高くなってしまうため、認定されにくいという問題点がありました。これを解決するため、今回の改正では「3000円以上の寄付を100人以上から集められればOK」という新ルールを導入。さらに活動を初めてからそれほど時間が経っておらず、寄付がまだ集まっていないNPO法人に対しては、3年間の仮認定期間の間だけ認定NPO法人とほぼ同様の優遇が受けられる「仮認定制度※」が適用されることになりました。
もうひとつの大きな変更は認定NPO法人が受けられる税制上の優遇。
これまでは寄付した分だけ所得が安くなる「所得控除」のみでしたが、新ルールでは税金そのものを値引きできる「税額控除」も使えるようになりました。
これは最大限活用することで、寄付した側が寄付金額の50%にあたる金額を税金から引くこともできるという画期的な制度です。
他にも、地域振興や観光を主な活動とする任意団体も、NPO法人として認可されるようになるなど、NPO活動をこれまで以上に社会に浸透させていくためのアイデアが新ルールの随所に散りばめられています。
※仮認定制度は2012年4月1日より施行